なんでもレビュー
THE SKETCHES OF MOONDAYS 〜WE KEPT OUR PROMISE TO YOU〜 (初回豪華BOX仕様) |
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アーティスト:多すぎて書ききれないので省略 | ||
価格:5250円(税込み) | 発売元:UFL RECORDSand...LOVE DE LIC 発売日:2002年12月5日 |
点数10 |
まず初めに。 今回のレビューは初回生産版の豪華BOX仕様をレビューしています。よって、これから買われる方は、今回のレビューで使用する写真とは違った商品になっていると思いますが、曲目は変わらないので、このCDの本質はなんら変わりません。 1997年に発売されたPS用ゲーム「MOON」の、絶版になったサウンドトラックにCD2枚分の曲を追加した復活盤です。 MOONは私がゲームレビューで唯一(2002年12/08時点)満点の10点を付けているゲームですが、そのレビュー内でもMOONの音楽については少し触れました。なにせ、このスタッフ達の音楽が好きなこと好きなこと! ラブデリックとしての最後の作品である「LOL」などは、彼らの音楽好きな所が引き寄せたのか、プロデューサーとサウンドディレクターが坂本龍一だったりする。まあ、今回のレビューには関係ないから本筋に戻しますが。 さてさて、上の写真が豪華BOXの写真です。未開封状態ね。 真っ白に見えるって? うん、白しか使ってないから当然白い(ぉぃ じゃあ、少しだけ傾けてみよう。 文字が書いてあるよ! って、そうじゃなくて、確かに側面には銀色でタイトルが書かれてますが、ここで見て欲しいのは違うこと。よ〜く見てください。薄っすらと絵が見えませんか? この箱、表面が白い粒で盛り上がっているんですが、その粒のある所とない所で模様を作ってるんですわ。 たぶん、ずっと手元に置いていたら、風化とか汚れとかで次第に絵がくっきりとするんじゃないでしょうか。 中身としてはこんな感じ。マキシシングルとかを入れるような薄型のCDケース3つと、ブックレットx2とステッカー。 右のブックレットは、ミニストーリーブック。表と裏、どちらから読んでも良い仕様になっています。 左のブックレットは、“重箱の隅をつついたような”解説書です。 私は、またビッシリと書かれた文字だけのを想像してましたが、全然違いました(笑) 曲タイトルとアーティスト、解説と、アーティストのコメントがそれぞれ書かれています。なるほど、これは今まで知らなかったって事まで書いてます。 ステッカー。 このイラストは、参加アーティストのイメージイラストだと思います(ゲーム中には登場しないので)。 一枚目、「DAY SIDE」 初っ端からデンパザールの「月の光」(原曲はドヴュッシー)が入ってくるあたり、「さすがMOON!」って感じです(笑) Nゲージの「宇宙のお祭り」のような、陽気で笑い出したくなる面白い曲もあれば、あすなろボーイズの「くつしたの穴」のような、聴いていると思わず顔をほころばせながら街を歩きたくなる曲――追記:今更気付いたけど、この《あすなろボーイズ》の正体は、ファイナルファンタジーの植松伸夫氏が参加しているユニットで、植松氏自身が楽器を弾いてるらしい。ブックレットに書いてるのに見過ごしてたました――、KINGLETの「I'M WAITING FOR THE NIGHT」のような、幻想的な曲。 Venus Fly Catcherの「THE OTHER JET」のような、しっとりとした聴かせるヴォーカル曲もあれば、MOONの全サウンドを担当するセロニアスモンキース(THELONIOUS MONKEES)の「FROWER WALTZ」のような、花畑とか草原とかでゆったりしたくなる曲、色々あります。 JAZZにボサノバ(ラウンジ風味)などの、大人びた格好良さがあったかと思うと、Drum'n'bassやテクノの電子的な格好良さもあり。また、和完のナガウタ系三味線と現代楽器を使用した言霊や、アーティストが“イナウイニ河岸ピープル”とされた「父よ私に神の力をください」など――って、誤解招きそうだからちゃんと書いておくと、アマゾンのイナウイニ河岸の住人達が、シャーマンの伝統とキリストの再来を祈って、村祭りで歌った聖歌を現地で録音してきたという曲。 他にも、クラッシック調やラテン、クロスオーヴァー、ジャズフュージョンなどなど、かなり色々入ってます。 また、今川勉の「EMOTION2」は小刻みな機械的なリズムとアコースティックな泣きのギターがかなり私のツボ。 MOONのCMでも使われた「KERA-MA-GO(MD version)」はポップな感じの曲調に、舌足らずな感じの女性ボーカルがかなり可愛く――って、この曲、妙に舌足らずだなぁと思ったら歌ってるのアメリカ人の女の子(十歳)だそうです(笑) 全体的に、この「DAY SIDE」は『日中』をイメージさせる曲が多く、リラックスしながら「今日も一日頑張るぞ!」みたいな気分になれます。…………なんつう主観的なレビューだ(笑) 二枚目の「NIGHT SIDE」 今度はいきなり甲高い音が耳を突く。二日酔いの頭の痛さを連想させる、ハーモニカブルース「MOON TRIPS」が一曲目。ゲームでは、夜にならないと開かないバー「WONDA」でかかっている。これを「NIGHT SIDE」の一曲目とはまたやってくれる(笑) 二曲目にチェロ多重奏の「月魚・プロローグ」、三曲目に正調津軽三味線の「月アカリじょんがらロード」が来て、“月”が三連続。夜と月の名にふさわしい、静かでしっとりとした曲が続きます。 そして、TOMOの「銀の糸のつむぎ歌」。ハープの音色とケルティックなメロディ、澄んだヴォーカル、ノスタルジックな歌詞、めちゃくちゃツボです。 CDの方はココから段々加速していきます。しっとりとした夜の雰囲気から、深夜のパーティーへ。 Drum'n'Bassや、…………何といって良いのかわからないけど、機械の兵士が行進しているような、それでいて工場で黙々と機械が生産されているような曲や(解りにくいって言うなっ(泣)。強いて言うならビッグビートにヒップホップを混ぜたような……いや、違うかも(ぉぃ)…………ごっつ説明しにくいから感覚で書くと、このディスクは「しっとりと夜の雰囲気」から「ディジタルで行くぞコラ!」みたいなのに変わるんですわ。変則的なテクノ系があったかと思えば、めっちゃ正統派な(言ってみりゃ“正調”)ドラムンベースがあったりします。ああ……フィーリングでしか書けない(泣) もういいや、開き直ろう(ぉぃ ウェスタンに電子的な装束を着せたような曲とか、今流行っているヒップホップなんかと全然違う、私の好きなタイプのヒップホップや、ヒップホップを土台に仕込んでるらしいファンクっぽい曲等々……。 また、THELONIOUS MONKEESの「I kept my promiss to you」は、アレンジヴァージョンだけど、歌詞がゲームのMOONをやってきた人間に感涙させる。MOONを象徴する一曲だろう。 そして、最後の「MOON SIDE」 これは、以前発売されていたオリジナルサウンドトラックが元となっている。 元バージョンとの違いは、「FLOWER TRILOGY〜フラワーワルツ〜」と「suisei」を抜き(前の二枚に入っているため)、「DJサイケ DANCE MIX」・「VIP ROOM AMBIENT〜TS2000」・「VIP ROOM AMBIENT〜ポセイドンの子供たち」・「VIP ROOM AMBIENT〜glossy pebbles」を追加したもの。 KONAMIのbeatmaniaIIIに、MOONのTHELONIOUS MONKEESが参加していたが、その繋がりがちょっと見えるディスクでもある。 「DJサイケ DANCE MIX」はMexican beats、TILT、Celestial bodyの三つのサブタイトルが付いているけど、一曲の中で三組のアーティストが曲を繋いでいくため。その一つに参加しているAquilaという人物は、どうやらビーマニに参加していたFinalOffset氏のようです。 私はこのディスクの元となったサントラも持っているんですが、元のサントラはMOONの中でもゆったりとした曲ばかりが入っていました。それがこの新バージョンになったら……急にクラブミュージックが混ざっちゃいましたね(笑) しかもめちゃくちゃ格好良い。また、追加されたアンビエント3曲もかなり良い雰囲気で、最後のディスク「MOON SIDE」に華を添えてます。 5000円という値段は、普通に考えると高いのですが、63曲入り、ディクス3枚組みでこの値段ならば、安いでしょう。高いけど安いって奴ですね。 ゲームのサントラなので、ゲームをやってない人には敬遠されがちだと思いますが、ゲーム未プレイの人は一種のコンピレーションアルバムだと思ってください。はっきり言って、そんじょそこらのコンピレーションアルバムなんぞ足元にも及ばないような、素晴らしいコンピレーションアルバムですから。 曲調も、アーティストもばらばらなので、聞き飽きることがないし、一曲一曲の質も高い。 最高です。 また、moonを開発したのサイトで購入すると、特典が付きます(2002年12/08現在)。 言ってみればポストカードなんですが…………さすがはラブデリック、さすがはmoonです。 とある曲の譜面が書かれたものですが↓ 上部の文字、手書きです。注文する際に、「Promise to」の後に入れる名前を書くのですが、その名前の部分だけを手書きで書くのかと思っていました。届いてみてビックリ。私はかなり無理をして2セット買ったので、このポストカードも2枚あります。見比べてみると、Promise toも、サインも手書きでした。 まさか購入者全員ぶんの枚数を、全部手書きとは…………恐れ入りました。 裏面はこんな感じです。 下部をアップにするとちょっとした小ネタが仕込まれています。 --後日追記-- 現在このサントラは入手困難です。2セット購入した私の心が痛むほどのプレミアが付いており、数万というのがざらという状態になっています。 しかしながら、こんなサイトはご存知でしょうか? 「olio music MBURRN」 olio musicというサイトの特設コーナーですが、現在この「THE SKETCHES OF MOONDAYS -WE KEPT OUR PROMISE TO YOU-」のDISC3、Moon Sideの楽曲が1曲150円でDL販売されています。ニジコロガシさんによると、2006年10月と11月には他のDISCや、MD参加したアーティストの新曲なども販売開始になるそうですので、是非チェックしてください。 サイト自体もMOON世界でMDを売っていたバーンのサイトという感じに仕上がっていますので、既にCD持っている人も要チェック。 いつまで公開されているかも解らず、どこまで曲が追加されるかも解らず、さらにCDへの書き込み不能というプロテクト付きですが、プレミア価格のサントラに手を出せない人は是非。 |