真・なんでもレビュー
ハイペリオンの没落 左から、文庫版上・文庫版下・ハードカバー。各画像クリックでamazonへ。 |
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出版:ハヤカワSF | 著:ダン・シモンズ(訳:酒井昭伸) | 定価:上巻860円+税、下巻900円+税(ハードカバー版は3000円) |
素晴らしい。 ここまでの作品を書き上げた作者にも敬服するが、やはり訳者にも敬服する。 これは前作ハイペリオンの補完的な意味合いを持つ作品であるが、まことに面白い。 本当に面白い。 も一つ面白い。 これを読み終えた夜、私は学校があるにも関わらず朝の五時まで読みふけっていた。 前作「ハイペリオン」だけでも面白かったのに、これはそれに輪をかけて面白いのだ。 まさかこんな名作を知らなかったとは悔しいものだ。 このハイペリオン二部作(文庫だと四部作)は「ハイペリオン」がヒューゴ賞とローカス賞、「ハイペリオンの没落」がローカス賞と英国SF協会賞を取っているうえ、日本でも星雲賞を受賞している。また、SFファンが選ぶ90年代SFベスト30でも1位を獲得し、「本の雑誌」で開かれた小説だけでなく全てのジャンルから選ばれる90年代の本ベスト100でも、前作であるハイペリオン単体だけで3位という位置にある。 本当に凄まじい小説で、しかもあえて「未完の作品」としていた前作「ハイペリオン」の「くそっ、もっと読みたいぞ! どうなっているんだ!」的な要素を補って余りあるほどしっかりと終わっている。 よくこんな小説を思いつき、完成させたものだとつくづく思う。 誉め言葉しか出てこないのでレビューとしてはろくなものではないが、これは本当に面白い作品だ。 しつこいぐらい繰り返しているが、本当に面白いので、小説をある程度読みなれている人には是非読んで欲しい。 本当に面白いから。 |