なんでもレビュー

頂上決戦最強ファイターズ
SNKVSCAPCOM
メーカー:SNK(倒産、現在はSNKプレイモア) 機種:ネオジオポケットカラー 点数9.0
価格:4515円(税込み)
廉価版:2940円(税込み)
ジャンル:2D格闘ゲーム 発売日:1999年12月22日


 携帯ゲーム機の格闘ゲーム至上最高の出来。
 これを越えるものを作れる物なら作ってほしい。いや、マジで。
 これはSNKのファンもカプコンのファンも納得できるはず。

 まず、キャラクター。
 SNKからは、京・庵・テリー・リョウ・舞・覇王丸・ナコルル・アテナ・レオナがデフォルトとして出場。
 カプコンからは、リュウ・ケン・ガイル・春麗・ザンギエフ・ダン・さくら・モリガン・フェリシアがデフォルトとして出場。
 つまり、
最初から18キャラが使える。
 そして、隠しキャラとしてSNKは、ユリ・あかり・ギース・ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ(長い…)の4キャラがいて、カプコンはバレッタ・ベガ・豪鬼・殺意の波動に目覚めたリュウの4キャラがいる。
 
総計26キャラ
 携帯ゲーム機でこの人数は凄まじい。

 格闘ゲームのネックである、システム。
 攻撃をしてゲージを溜めて、超必殺技やMAX超必を使う万能型スタイルの「アベレージ」
 パワー溜め動作でパワーを増加させて攻撃力を上げたり超必殺技を使える「カウンター」
 チェーンコンボでゲージを溜めて3つまでストックでき、攻撃力は低いけど手数で戦う「ラッシュ」
 この3種類があります。
 また、固有の特殊操作として、アベレージはフロントステップとダウン回避があり、カウンターは攻撃避け・カウンター攻撃があり、ラッシュはダウン回避・チェーンコンボ・ダッシュがあります。
 また、シングル・タッグ・チームのからモードを選べ、「MYチーム」などを編集することにより試合開始時のセリフや勝ちゼリフを編集できます。

 つづいて、技。
 これまた凄い。ほとんど削られていないのだ。何が削られてないって、技の数。
 例えば技が多い豪鬼だったら天魔空刃脚などの特殊技は勿論、百鬼衆も全部ある。スーパーコンボに至っては瞬極殺もあるし、金剛國裂斬なんてマイナーな技もある。
 私の大好きなギースだと当て身投げや真空投げなどもあるし、デッドリーレイブまである。そして何よりも羅生門なんてマイナーな技もある。
 また、エフェクトなども凝っていて、「月華の剣士」からの隠しキャラである一条あかりの「百鬼夜行」だと、月華だったら『いろんな妖怪が攻撃して最後に一つ目小僧が遅れてやってくる』というエフェクトなのに、これだと「ダンの親父」、「藤堂竜白」、「レッドアリーマー」などが攻撃をし、最後に「メタルスラッグ」が送れてやってくるというファン心をくすぐるエフェクトになっている。
 ダンの挑発伝説も然り。女性キャラの挑発を真似ていき、京の挑発から豪鬼の滅殺ポーズ(背中には「漢」の字)をするという流れになって笑わせてくれる。
 格ゲーが好きな人には気になる「キャンセル」や「連続技」もあります。さすがに必殺技も連続技もアーケードと同じというのは無理ですが、それでも携帯ゲーム機としては異例の仕上がりになってます。
 キャラクター同士の掛け合いも豊富ですし、ステージもクラウザーの城やスト2のリュウステージなどファンには嬉しい場所があります。
 曲も然りで、全キャラ固有の曲があり、さらにクラウザーステージなどはステージ固有の曲があります。

 そして気になるおまけ要素。
 隠しキャラを出すには「クリア後に表示されるパネルを破壊する」必要がありますが、このパネル破壊は難易度や進め方で増減します。
 しかし! おまけ要素の本領は技集めにあります。
 このゲームには全キャラ隠し超必殺技がありまして、それを集めるのが楽しいんですわ。
 まず、これは「バーサス」というポイントを集めて技を買うといった感じなんですが、そのバーサスを取るためにミニゲームがあるんです。
 それが「オリンピックモード」

 オリンピックモードはSNKチームかカプコンチームかを選んでスタートするんですが、どちらを選ぶかによってミニゲームが違います。
 まず、共有競技は「サバイバル」、「タイムアタック」、「ファーストブラスト(10人の敵との一撃勝負)」の3つ。共有といっても使えるキャラは自分の所属チームですが。
 そして、固有競技。
 SNKは「ターゲット9」、「ブレードアーツ」の2種。カプコンは「キャットウォーク」と「ゴーストトリック」の2種。
 「ターゲット9」はキャラクター視点のシューティングで、メタルスラッグのマルコがUFOから攻めて来る宇宙人と戦うというもの。上下左右と四隅と中心の9箇所に現れる宇宙人に撃たれる前に撃てというもの。リロードや体力ゲージなどもあり、マルコの顔も表示されるのでメタルスラッグの雰囲気は出ている。ちなみに、裏技でキャラを変えれたりする。
 「ブレードアーツ」はサムライスピリッツの柳生十兵衛を使って、左・右・右上・左上に出てくる巻きワラ百体を斬るという単純競技。でもこれまた雰囲気は出ている(笑)
 「キャットウォーク」はヴァンパイアのフェリシアを使ったエセDDR(笑)
 フェリシアは画面右半分で踊っているだけ。左半分に流れてくる譜面に応じたボタンをタイミング良く押していくというもの。間違うたびにフェリシアのライフが減り、無くなったら曲の途中でもアウト。全六曲で、最後の方になるとビーマニで慣れてる人でも結構難しい難易度。
 「ゴーストトリック」は懐かしいあのテーマに乗りながら魔界村のアーサーを操って、レッドアリーマーを避けながら財宝を集めるというゲーム。
 Aで左にジャンプ、Bで右にジャンプという単純な操作で4つの足場を行き来して、両端に現れる財宝を集めるんですが、足場と足場の間から飛び上がってくるレッドアリーマーに接触したらゲームオーバー。制限時間一杯まで集めまくるというもの。単純操作のくせに、魔界村のテーマ曲と絶妙なタイミングで現れるレッドアリーマーのせいでかなり楽しいです。
 上記の競技を繰り返してバーサスを貯め、キャラの技を買っていく…ハマりますよ〜マジで。
 また手に入る技がファンの心をくすぐる技ばかり。
 京の「182式」、や春麗の「七星閃空脚(ちゃんとバックに文字が出る)」、リュウの「真・昇竜拳」はここで手に入れる。一条あかりの場合は月華の乱舞奥義(しかも2タイプ)が貰えます。先述の「デッドリーレイブ」や「金剛國裂斬」もコレで。

 おまけ要素も多彩で面白く、ゲームの内容自体が凄まじく良い。燃え尽きる直前のSNKのプライドを垣間見ることのできる名作です。
 ネオジオポケットカラーを持っている人は絶対に買ったほうが良いでしょうし、SNKの潰れた今なら処分品として安く買い叩く事ができると思うので(ぉぃ)ハードごと購入してみてもOKでしょう。
 捕捉までにネオジオポケットソフトの代表例としては「伝説のオウガバトル外伝」、「メタルスラッグ ファーストミッション」などがあります。ハードの性能自体がかなり高いうえ、操作性が今までの携帯ゲーム機にないほど良いので安かったら買ってみてはどうでしょう?

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