なんでもレビュー

KOF MAXIMUM IMPACT
メーカー:SNKプレイモア 機種:PS2専用 点数8.5
価格:7329円(税込み) ジャンル:3D格闘ゲーム 発売日:2004年8月12日
公式サイト:http://www.snkplaymore.jp/official/kof/index.html


 SNKプレイモア初の家庭用専用ソフトにして、初の3D格闘ゲーム。
 DVD二枚組(ゲームディスクと特典ディスク)で、59ページのブックレット+纏めて入る箱が標準付属。
 新システム:サイドステップ、サークルモーション、スタイリッシュアート(全て後述。長文になるので、時間の無い人はこのように色の付いてる所の前後と表だけピックアップしてくだされ)

 旧SNK時代から通算すると、六作目の3D格闘となるのだが、前五作が全て一般的にはクソゲーの汚名を与えられたという曰く付き。ちなみに、私は五作目である「剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃」以外は全て好きなのだが……。

 失礼な話だが、この作品が発表されたとき、旧SNK時代から3Dは全て駄作の印を押されていたのに、SNKプレイモアだと想像を絶する駄作になるのではないかという恐怖を抱いていた。SNKプレイモアのゲームは嫌いではないが、手を抜きすぎなのだ。
 今までずっと新作とは名ばかりで、グラフィックを書き下ろさずにほとんど旧作をコピペ(複写して貼り付ける意)する。そのくせに調整は(下手だと言われていた)旧SNKよりも酷く、バグや致命的なバランスの欠陥が当たり前。家庭用に移植しようとしても、性能的にネオジオを完全移植して余りあるPS2でさえ、バグ追加のロード時間&回数が凄いという妙な仕様にしてしまう。ファンの信頼は失墜したも同然だった(私はかなり好意的というか、甘すぎるくらいのファンだと自認しているが、それでも酷い)。
 そのSNKプレイモアが送る、家庭用専用かつ初3DのKOFである。

 これを買う際、私は「どうせ良くてもB級だろう。ま、買ったらないと、またSNK潰れても困るしなぁ」という消極的な動機でソフト購入を決意していた。それがどうだ、ふたを開けてみると、どこに行っても売り切れている(発売時)。
 驚く無かれ、あのプレイモアが初めて良い方向でユーザーの予想を裏切ったのです!
 そう、面白いのだ。グラフィックはナムコやセガという3Dの一線級メーカーに比べると話にならないレベルだし、キャラデザインも微妙。ストーリーなんぞ痛すぎて泣きそうになるぐらい破滅的に下手糞だが、触ってみると面白いのだ。
 スクリーンショットなどではショボいグラフィックも、いざ動くと気にならない。むしろ綺麗にさえ思える。
 キャラはデザインこそやっぱり微妙だが、一名除いておおむね良好。格ゲーの根幹である技に至っては全員癖があって面白い。
 まあストーリーは、過信抜きで高校時代の私でさえまだ上手く書く自信があるほど、書いたやつ給料返上しろと思うほど、最低だけど、格ゲーなのでそれは置いておこう(SNKの特色のはずだけどさ)。
 確実にバグチェックのミスだろうと思うような箇所もあるし、これはどうなのよと思うコンボも多い。だが、数年ぶりに友人連中と楽しく遊べるSNKゲームなのだ。

 
特徴としてまず覚えておいて欲しいのは、とにかくゲーム速度が速い。
 通常の3Dゲーと違い、2DのKOFと同等かそれ以上のゲーム速度なので、システム的にも感覚的にも2DのKOFに近い感覚で遊べる。
 これを踏まえての内容紹介を。

 ゲームモードはストーリー、VS、チャレンジ、プラクティス、プロフィール、オプションの6種類。
 ストーリーは話自体は気にしたら凹むので脳内補完しつつ進めていき、恒例の無茶な性能のラスボスと戦うというもの。
 VSは対CPU(1vs1)・対人(1vs1)・対CPU(3vs3)・対人(3vs3)となる。対CPUが先に来るのは何でだろう?
 
チャレンジは様々な条件の付いた課題をクリアすることにより隠し要素が解放されていくというもの。
 プロフィールはクリアしたキャラの簡単な設定と3Dモデルを見ることが出来るほか、後述の隠し要素にも関係します。

 オプションは普通にオプションですが、ちょっと微妙な点が多いので、これは最後に悪い点で書きます。

 システムは極めて2D版KOFに近い。
 ジャンプは通常の他に大中小の系4種類。吹っ飛ばし攻撃と空中吹っ飛ばし攻撃の他、ガードキャンセル吹っ飛ばしも健在。
 KOFの特徴でもある前転と後転もあるのだが、攻めに使う場合の前転はともかくとして、逃げに使う場合の後転はまったく頼りにならない。速度か移動距離が欠けているように感じた。相手の牽制技や単発技ならば避けられるだろうが、連続技や多少でも移動するような技の場合、後転の終わり際に二段目三段目がヒットしてしまい、そこから更に連続技を決められて致命的になることがある。
 前転後転とは別に、3Dらしく軸移動もある。それについても触れておこう(解りにくいだろうが、弱パンチをp、弱キックをk、強パンチをP、強キックをKと書く。実はゲーム中もこういう表記なのだ)。
 
pk同時押しで奥へ軸移動、↓+pk同時で手前へ軸移動。前述の前転と後転は左右にレバーを入れながらpk同時押しなので、慣れないうちは混乱するかも知れない。PK同時押しが吹っ飛ばし攻撃なのは2Dと変わらず。ちなみに、pkはR1、PKはR2ボタンで代用出来るようになっている。
 また、
pk押しっぱなしで奥へ移動しながらジリジリと相手に近づくサークルモーションというシステムがあるのだが、これはほぼ不要。お気づきだろうが↓+pk押しっぱなしで手前へのサークルモーションとなる。
 サークルモーションが不要な理由、それはゲーム速度の問題である。なぜか、前転後転とサークルモーションは移動速度も移動距離も少ない。ゲーム速度が2DのKOFと同等かそれ以上なのに、これらの動作だけは普通の3D格ゲーよりも遅いくらいなのだ。
 併せて注意しておくと、
軸移動は頼りにしすぎると危険である。なぜなら、と一言ですませたい所だが、少々説明の言葉に詰まる。これは後で紹介するスタイリッシュアートも関わるので、詳しくは後で説明させて貰おう。

 
登場キャラクターは全20人。リストにまとめよう。
草薙京 八神庵 K' マキシマ
テリー・ボガード 不知火舞 リョウ・サカザキ ユリ・サカザキ
ラルフ・ジョーンズ クラーク・スティル レオナ・ハイデルン 麻宮アテナ
セス ロック・ハワード アルバ・メイラ ソワレ・メイラ
リアン・ネヴィル ミニョン・ベアール チェ・リム デューク
 新キャラはアルバ・メイラ、ソワレ・メイラ、リアン・ネヴィル、ミニョン・ベアール、チェ・リムとラスボスで隠しキャラのデューク。
 デュークの使用条件は親切にも説明書に書いてあるんですが、アルバとソワレでクリアすること。ただし、性能が高すぎて対戦で使うと非難囂々でしょうが……。
 新キャラ(オリジナルキャラ)を中心に紹介しましょう。従来キャラは後で。
アルバ  変なサングラスに変な髪型の仏頂面。しかし性格は真面目で弟想いのクールな兄ちゃん。弱小組織のリーダー。

 二種類の突進技と当て身投げ、飛び道具と必殺投げを持つ万能キャラ。
 突進技は移動距離こそ短いが、片方は下段、片方は上段+対空。
 当て身投げは、下段以外の打撃技を全て取り、ロックして投げる高性能さ。
 中距離への打撃と防御、接近時の投げ、遠距離時の飛び道具と万能すぎるほど万能なキャラ。
 スタイリッシュアート(以下SA、あとで詳しく説明)も使い勝手良く、KOFの主人公としては珍しいくらい使いやすい。
 トップクラスのキャラ性能を誇りつつも、ギリギリ壊れてはいない絶妙なバランス。
ソワレ  銀髪でテンガロンハットを被らずに首の後ろに回している。性格は陽気で軽いバカといった感じだが、大切なもの「兄ちゃん」、好きなもの「兄ちゃんとハンバーガー」という極度のブラコン。

  カポエラとシューティングを混ぜた技で戦うのだが、3D格ゲーでカポエラというと既に鉄拳で完成品みたいなのが出ちゃっているので、どうなんだろうと思っていた。使ってみると案外ちゃんとしていて、これはこれで面白いなという感じ。
 スタイリッシュアートが他のキャラの二倍近くあり、上中下の見切りにくい連携を多く持っている。使いこなすのが難しそうだが、使いこなせばめちゃくちゃ強い。
 初心者には向かないが、使ってて気持ちよさそうなキャラである。
リアン  エセ不二子。変な巻き髪に妙なボディーラインを強調した衣装、不格好な構えという目立つ風貌なのに暗殺者。

 ボスを除けば最高性能。
 衛星からレーザーを撃ってもらう支援要請があり得ないほど強力。KOFプレイヤーに解り易いたとえをすると、ゲーニッツの「ここですか?」にガード不能+ヒット時強制ダウン+ダウン時にもヒット+効果時間延長を加えた感じ。
 ゲーム速度が速いので、普通のキャラだと超必を絡めたコンボでも2秒程度しかかからないのに、このレーザーは発生してから消えるまでに3秒程かかる。発生中に少しでも触れると問答無用でダウン。軸移動で避けても、回し蹴りなどしようものなら足がレーザーに当たってダウンしてしまう。超高性能。
 出現ポイントを指定できるので、自分の側に出してからレーザーを追い越し(自分には攻撃判定がない)てコンボを仕掛けると、もし防がれたり、反撃のコンボを喰らってしまっても、相手が反撃で前に前に出てくるうちにレーザーに当たってダウンしてくれる、という使い方が出来る。もしくは、相手の後ろに出してからコンボを出すと、相手は喰らっても防いでも、リアンに押されてレーザーに当たってしまう事が多い。
 ダメージも大きく、強キックの1.5倍ほど。参考までに、開始位置から一歩程度の間合いでレーザーを当て、すぐさま超必を出して再びレーザーを出すという、コンボとさえ呼べないお手軽なもので、必殺投げ4回+小パンチ1回ほどのダメージをたたき出す。

 超必は二種類あるが、片方は2ゲージ使うが威力とスピードが高い。片方は1ゲージで済む対空技だが、威力もそこそこでコンボに組み込むとお手軽なコンボで6割減らせるお買い得品。
 他の技やスタイリッシュアートも面白いのだが、これらのものだけで事足りてしまう。完全なる調整ミスの産物。
ミニョン  変な衣装、変な髪型、変な性格、変な技、変な設定。一言で言うなら、変。
 王道的なバカキャラ。天然なのか、装ったブリッ子バカキャラなのか判断に困る。セリフに「ネコ♪ にゃん」だの、「く〜るりーん」だの、「風の精霊さんお願い」だの言われると、脱力と共にイライラと……。

 しかし性能的には面白い。
 飛び道具は二種類、火の玉と地を這う風。火の玉は、一直線に相手に飛ぶのだが、追加入力で弾けるので、上手くやれば前転で避けた相手の背中や、軸移動で避けた相手に当てることが出来る。風は、射程距離が短いが他の軸にも攻撃判定があり、飛び道具を貫通して進む。
 対空技は効果範囲こそ狭い(ほぼ体の周囲のみ)のだが、発生が早く、壁際で当てるとバウンドした相手をお手玉できる。
 必殺投げも持っており、遠距離で戦っても近距離で戦ってもやりにくい。
 超必も強く、2ゲージ消費の投げは1キャラ分離れている程度ならば吸い込み、ギャラクティカファントム級のダメージを与える。
 もう一つは少し変わった飛び道具。1ゲージ消費で頭上に隕石を召喚し、それを手前に下ろしてから画面端まで撃つという、モーション的には長すぎるものなのだが、頭上に召喚した時点であたり判定があるので、上手く使えばコンボに組み込める。撃った後は尻餅をついて一秒ちょっと行動不能になる。しかし、頭上から前に下ろしたところで追加コマンドを入力すると、更に1ゲージ消費で隕石を地面に落とすことが出来る。こうした場合、下段判定の衝撃波が発生する。
 なお、構え変更でしゃがみ込んでネコのポーズを取るというものがあるが、実用性は低い。一応派生技でゲージが一本貯まるが……。
チェ・リム  キムコ。意味が解らないように見えてそのまんま。2DのKOFにいるキム・カッファンの完全互換の女性キャラ。衣装も技も性格も、ほぼそのまんま。だからキム子。
 構え変化で「背水の陣」を持つ。
 キム・カッファンそのままなので、必殺技もそのまんま。三空撃のようなスタイリッシュアートも持っている。
 蹴り主体だが、上下の振り分けや連続技が楽しい。
 超必の零距離鳳凰脚は、ゲージ三本消費ながら全キャラ中、単発で一番減る技である。
デューク  東郷でも更家でもなければ、UFOロボにも乗ってないしマリンスクリューを使うわけでもない。設定も性格も絵も、特に考えて作られた様子は無く、典型的な悪役。魅力はない。

 性能はバカ。規格外。以上。

 スタイリッシュアート(以下SA)は要するに連続技、コンボである。決められた順番、タイミングでボタンを押す事で出る。ネックなのは「決められた順番とタイミング」で、SAによってルートの分岐はあるが自由に作り替えたりというのは難しい(というか、ほぼ無理)。一癖あるが、面白いシステムではある。
 一般的な連続技と違う所は、
SAのモーションは通常技のモーションではなく専用のモーションで行われる事と、先行入力的にコマンドを入れ、相手に攻撃が当たっている当たっていないに関わらず、先行入力した部分が全て実行されるという所だろうか。一番近い感覚で言うと、別ゲームだがギースのデッドリーレイブが連想される。ゲーム速度が速いので、ほぼあれと同じような(もしくはもっと速く入力し、もっと速く実行されるような)感覚で私は使っている。
 また、
必殺技や超必殺技はSAと特殊技からでしかキャンセルが出来ない。言い換えれば、SAは必殺技でキャンセルできるのだが、通常技をキャンセルして必殺技を出すことは出来ないのだ。
 
平均で一人あたり17個のSAが用意されている。詳しく言うと、一番少ないのがセスの10個、一番多いのが新キャラのソワレ・メイラの33個である。
 コマンドの長さはピンキリで、長いものだとユリのSA12である
+k、+p、+K、+K、+Kのように五つ六つとタイミング良く入力しなければいけない。逆に短いものだと、二回の入力で済む。例えばラルフの「SP+SK、SP+SK」、ようは吹っ飛ばし攻撃を二回入力するだけ(効果は少し違うが)。更に言えばワンボタンで済むものもある。特殊動作や構え動作からの派生がそうだ。
 しかしSAは一つ決めたら終わりというわけでもない。
 愛用するラルフを例に出して紹介すると、
+P、+KというSAと+K、+K、+KというSAがある。前者はしゃがみながら裏拳を繰り出した直後に足払いという動作で、後者は三回連続で思い切り蹴り飛ばしながら前進するという動作なのだが、前者の足払いで転ばせた後で後者のSAを出すことにより、ダウン中の相手にヒットし、三発目の蹴りで相手が軽く宙に浮く。ここで先述の「SAは必殺技でキャンセル出来る」というのが活きる。宙に浮いた相手に急降下爆弾パンチや馬乗りバルカンパンチを決めることが出来るわけだ。
 とにかく
綺麗に決まれば爽快
 ついでに、というと失礼だが、採用されなかった必殺技や特殊技などが組み込まれたSAも存在する。ユリの「飛燕疾風拳(ユリちょうナックル)」やリョウの「虎砲疾風拳」、レオナの「ストライクアーチ」やラルフの「『ようし、格闘ゴッコでも始めるかぁ』ポーズでの挑発」など。
 最後のは冗談だが、本当にある。相手を二発殴って踏みつけてから「ようし、とどめ行くかぁ!」と挑発するのだ。ガードされたら反撃必至なので、余裕のとどめにつかったり、既にKOされた相手に喰らわすのがメインの使い方(誰も聞いてない)。
 
だがこのシステムには良い面ばかりではない。先ほどの項目で後回しにした軸移動の欠点と併せて紹介しよう。
 先ほどと同じく言葉に詰まるのだが、キャラの
位置情報の処理が甘い、と言うのが妥当だろうか。例えば丁度相手を飛び越えて背後に着地するようにジャンプをしても、相手が何らかの動作(SA等)をしていると飛び越えられずに手前に着地してしまう事がある。また、相手のSAや必殺技を軸移動で避けて反撃をしようとする場合だと、相手がまだSA中でこちらが完全先読みでかわして反撃しても当たらず、下手をすればこちらの反撃SAが空振りのまま相手が背後から飛んでくる。解りにくいだろうから、簡単な画像で説明しよう。
 
 こういう事。この間、わずか一秒〜二秒ほど。一瞬だけに、取り返しの付かないことになる。なんせ、相手はSA終わって振り返ったらこっちが隙だらけの背中を向けてるわけだから。チャンスはまた一瞬しかないけど、軸の補正を(ほとんど)しないで良いぶん、余裕を持って攻撃が出来るという事ですな。
 これが、位置情報の処理が甘いという感覚の説明。
 たまにならまだしも、頻繁にあるからかなりツライ。おそらくは相手の攻撃に対して反射的に「軸移動→即反撃」って事をせずに、落ち着いて相手方向に向き直るのを確認してから反撃をすれば良いんだろうけれども、それだとほとんど五分五分になってしまうんですよね。これまた感覚的には相手四分五厘のこっち五分五厘ぐらいな感じ。
 また、技によっても自動で相手方向へ軸修正してくれるものと、そのまま突っ走っちゃうものがあります。更に言うと、同じ技でも軸修正する時と、まったくしない時があり……これはもうちょっと調整して欲しかった所。
 
他に調整して欲しかった所といえば、壁とダウン関係。
 今回、ステージごとに広さは違うものの、端っこには壁があります。この壁は、敵の攻撃を喰らって吹っ飛ばされて当たった場合に跳ね返るんですが、喰らった攻撃の種類や壁との距離によって跳ね返り方が違います。例えばパワフルな吹っ飛ばし系じゃなく、SAなどを地上で喰らって軽く壁に当たった程度だと、逆に体勢を立て直してガード出来る事もあります。しかし、パワフルな吹っ飛ばし系や空中に浮かされた状態でのコンボなどを喰らって当たると、思いっきり壁に当たって跳ね返ったりします。この場合がくせ者で、下手をすれば二度と地上には帰ってこれません。
なぜなら空中制御が皆無だからです。一応ダウン回避はありますし、ダウン回避をしなければ致命的になるコンボもあります。しかしこれが有効なのは地面につく寸前で、空中に浮かされている間は全くの無防備。ナムコのソウルキャリバーのように空中で落ちる位置をある程度調整できるなどが有るわけでもなければ、空中で受け身を取れる訳でもない。浮かされたらコンボは必至。下手すりゃ必死ってわけです。
 そしてダウンしてからも問題で、
ダウン状態でも被攻撃判定はあります。受け身を取るか、急いで起きあがらなければいけません。ダウンしてしまった場合の選択肢は三つ、そのまま寝てる・十字キー以外のボタンを押して普通に起きあがる・軸移動してから起きあがる。
 さて、違和感を感じませんか?
 一つ目、そのまま寝てる。これはあり得ませんね。二つ目、注目すべきは「十字キー以外の」です。普通に後ろ入れたり上入れたりしても起きあがってくれません。
起きあがるためにはボタンです、厳密に言うと小パンチ(p)か強キック(K)です。そうすればリバーサル攻撃をするでもなく普通に立ち上がります。軸移動をして起きあがりたい場合、小キック(k)を押すと手前、大パンチ(P)を押すと奥に転がってから立ち上がります。ってか、これ今ダウン関係について書こうと思って、わざとダウンしまくっててようやく知ったよ……。
 
超必のコンボ補正は目に見えて解るぐらいハッキリとあるんだけれども、壁にバウンドした場合や異常なほどのヒット数だったりする場合(つまりは長いことコンボを入れ続けている)際の補正は少ない気がします。実感としてね。補正は入ってるんだけど、「おいレフェリー、もっと早く止めろよ!」と言わんばかりに、時既に遅し状態、もうグロッキーって状態で解放される。

 さて、従来のKOFにいたキャラで変更・追加された点などを紹介。
 あ、コンボを絡めないで単発で決めた場合の最高ダメージを出す技も紹介しておこう。
 技名とその後の括弧内にダメージ値ね(注:ダメージ値は何%体力を減らせるかという数値とイコールではありません。ダメージ値100の攻撃を当てても生きてます。だいぶ体力は減ってるけど)。
K'  アイントリガーとミニッツスパイクの派生でナロウスパイクという移動兼スライディング技が追加。ワンインチはSAの一段目として存在するが、わざと二段目を入力しなかったら2Dと同じように一拍おいて相手を吹っ飛ばす攻撃に変化する。
 SAも必殺技も適度に使いやすく、初心者でもちょっと練習すればお手軽で格好良い連続技が出来る。
 なお、チェーンドライブの時に投げるサングラスだが、ステージによってはまったく見えない事がある(光の加減などで)
 
チェーンドライブ(2ゲージ消費、79)
マキシマ  とてつもなく変化したキャラ。
 基本的にSAはイメージに似合わず素早くパワフルで、汎用性が有るとは言い難いものの、使い道にあった使い方をするとかなり隙がない。
 M4型ベイパーキャノンが四つに変化し、M4-1型ベイパーキャノン(ストレート)、M4-1型フェイントキャノン、M4-2型ベイパーキャノン(打ち下ろし)、M4-2型フェントキャノンとなった。コマンドは旧来と変わらないものの、ボタン押しっぱなしでフェントに化け、同じ動作で少し踏み出して何もしないというものを出す。4-2型ベイパーは威力は少し落ちるものの、中段判定でしゃがんでいる相手をダウンさせる事ができる。
 移動投げマキシマリフトの移動距離も長く、移動中に→→と入力することによって前転に変化できる。
 投げ技デンジャラスアーチの追加入力も、ボタン押しっぱなしでフェントに変化する。
 対空投げのブリッツキャノンはSAを利用することにより、下段連続技からつながる。
 超必も変化し、バンカーバスターはボタン押しっぱなしによりフェントバスター1へ変化し、相手の目の前で土煙を上げるだけというフェント動作を行う(ゲージは消費する)。もしくは、コマンド入力後すぐに上とパンチを入力することで、土煙の後、小ジャンプで相手に近づくというフェントバスター2へ移行する。無論、これもゲージは消費するが。
 マキシマリベンジャー(2ゲージ消費、72)
 2Dとほとんど変わった印象は受けない。
 強いて言うなら、毒咬み→罪詠み→罰詠み→鬼焼きという追加がされたくらいか。
 超必は決して良い性能とは言えず、連続技からじゃないと使い物にならないかも知れない。少なくとも私は、相手の側でやったら攻撃判定が発生する前に近づかれて投げられた。SAともども、目新しさはないのでファン以外はオススメできない。SAも一段目がヒットしても二段目からガードされるものが多いしね。
 そのかわり、SAの途中でキャンセルして必殺技からの空中コンボがいくつも発見されているので、コンボ開拓者向けかも?
 
MAX大蛇薙(2ゲージ消費、周囲の炎20、大蛇薙60、密着状態時に炎で浮かせて大蛇薙だとコンボ補正して74)
 全体的に攻撃力が低い。しかしSAからの連続技がなかなか強力で、こちらのサイトにあるコンボを試した所、3ゲージかかるものの、113という大ダメージをはじき出した。でも京共々かなり難しいので初心者にはオススメできない。これも根気よく頑張る庵ファンか、コンボ探求者や上級者じゃないと使いこなすのは難しそうだ。
 豹華(1ゲージ消費だが八稚女中にしか出せないので実質2ゲージ消費。豹華26+八稚女48の合計74)
テリー  1Pモデル(KOF)と2Pモデル(餓狼MOV)でセリフが違う。
 基本的には2Dと同じ。強力だとは言いにくいが使い勝手の良い技が揃っている。ただし、ライジングタックルだけは強力で、タメ時間も短く、壁に斜めの角度でバウンドさせるとほぼ無限っぽく決まる。
 
バスターウルフ(3ゲージ消費、94)
ロック  強い部類に入れて問題ない。
 ダブル烈風券は消せる範囲を飛ぶ飛び道具なら消しながら進む(高い位置を飛ぶものは無理)。移動技であるレイジランは、弱ならば中段判定の突進技、強ならば相手の後ろに回り込む。ここから真空投げをつなげることができ、さらに羅刹が追加できる。真空投げは一回転コマンドの投げで、単発で出すほか、特殊技などをキャンセルして出せる。
 この他に、テリーと同じライジングタックルと突進技や上下の当て身を持っている。
 ただ、当て身は成功しても相手が素早いキャラだった場合、こちらの反撃動作中にさらに割り込まれてしまうので使いどころが難しい。
 SAもに魅せ技っぽいものが多いのもロックらしい。
 全キャラ中、二番目の高威力超必であるデッドリーレイブを持っているが、同じゲージを三本使うのであれば、SA1(p、p、P、P、→P、←K)で壁にバウンドさせた後にレイジングストームを三発決めた方がダメージは大きい。この場合のダメージは132。
 
デッドリーレイブ(3ゲージ消費、102)
 とにかく速い。基本的には2Dと同じ感じで、空中からの特殊技や投げなども健在。
 SAも速いので決めやすく、魅せ技的な動きが多いけれども超必にもつなげられる。ただ、手数が多い分、一発一発が貧弱な感は否めない。
 しかしこの速さとSAは驚異だ。一撃が弱くても、数を当てればダメージは大きい。それが当てやすいのならば問題はない。私はこの速さについて行けず、友人相手に負けを重ねた。
 
超必殺忍蜂(2ゲージ消費、66)
アテナ  サイキックテレポートは移動速度と移動後の隙を考えると、使う場面がほとんど無い。
 超必のSクリスタルビットは追加入力をしない場合はそのまま終わるのだが、2Dと違って隙だらけと言うことはなく、ビットが消える寸前で技が出せる。
 SAに意外とマトモな打撃が揃っており、SAメインで中国拳法使いとして戦うのも楽しそう。
 ブレークタイムという構えに移行できるが、実戦的ではないのでファン要素か。
 
空中クリスタルシュート(1ゲージ消費、相手に近い位置で空中Sクリスタルビットを出し、そこからシュートすると2ヒットして67になる。地上の場合は離れた位置からのシュートで57。ただし、画面端で普通にSクリスタルビットを出して相手を壁にバウンドさせると、追撃なしで75ほど行く)
ラルフ  マイキャラ(どうでもいい)。
 ラルフキックは使いどころがない。ラルフタックルはヒット時にKを押すことにより派生技ラルフバッファローが出る。両方ともタメ技ではなく、→→+キック要素で出る。
 バルカンパンチは昇竜拳コマンドで出るが、これまた使いどころがなく、タメ技のガトリングアタックも使いどころが少ない。……ホントにマイキャラなのか?
 Sアルゼンチンバックブリーカーは、相手の小パンチぐらいなら喰らってる最中に出ることもしばしば。しかしガードポイントがあるわけじゃないので、過信は厳禁。急降下爆弾パンチは空中からは出せず、↓タメ↑というコマンドのみになっている。その代わりなのか、SAに組み込む事が可能。
 特筆すべきはギャラクティカファントムの速さだろうか。入力から一秒で出るので、ほとんど投げ技ぐらいの感覚で使える。2ゲージ必要だが、威力は80とそこそこ。ちなみに、先ほどSAの説明の時に紹介したコンボだと1ゲージで74ほど減る。
 SAは全体的に大味で、一段目が当たっても二段目がガードされるものばかり。しかしロマンに溢れている。なお、大味そうなのに紛れてコンボパーツになりうるSAが転がっている。
 ギャラクティカファントム(2ゲージ消費、80、カウンター時は120)
クラーク  ガトリングアタックはラルフと違ってタメ技ではなく、←→+パンチ要素でガトリングアタック・ファーストが出る。そのままボタンを押し続けるとセカンドフェイク、追加でボタンを押すとセカンドが発動する。フェイクは一発目の裏拳の後、殴るフェイントをするもので、セカンドは2Dのガトリングと同じく相手を打ち上げる。ただしナパームストレッチにつなぐことは出来ない。
 マウントタックルからの派生技はプルアウトという技が追加された。プルアウトはマントタックル中か、相手ダウン時に頭側でp+Pで出る技で、相手を引き起こす。ダメージは発生せず、引き起こしたからと言って有利になるとも言い難い。
 まあ、マウントタックルを決めたら問答無用でローリングクレイドルを決めて、3Dならではの演出に見惚れることをおすすめする。
 投げ技の追撃必殺技であるフラッシングエルボーは存在こそするものの、忘れた方がいい。フランケンシュタイナー以外の投げでは、エルボーが決まる寸前に相手が立ってしまい、反撃をモロに喰らってしまう。シュタイナーのみエルボーが間に合うが、位置によっては相手を飛び越えてしまうことも。
 特殊技としてスライドダッシュが追加された。これは低い姿勢で高速移動する技で、SAとして派生技が3つ用意されている。メインで使うというよりも、奇襲で使う。
 SAの数は全キャラ中で二番目に少ないが、上下への振り分けはちゃんとある。投げキャラらしく、間合い調整するためのSAが目立つか。
 
MAX版Uアルゼンチンバックブリーカー(ゲージ2本消費、74)
レオナ  対空技のムーンスラッシャーはタメ技な上に発生がちょっと遅い。そのくせに、空中技のXキャリバーはあっさりと発生する。ボルテックランチャーは普通に当てても追撃は難しい。イヤリング爆弾、ハートアタックも健在。
 超必はVスラッシャー、リボルスパークに加えて、懐かしのグレイトフルデッドがある。
 SAからのコンボを探さなければ安定して勝つのは難しいかも知れない。まあ素早いキャラなので結構押せるのだが。なおSAにはストライクアーチやハイデルンのクロスカッターが組み込まれている。
 
リボルスパーク(2本消費、81)
セス  なぜ3Dにしたのか解らないが、かなり強化された。
 空中から降ってくる落月・闇月・泳月から、ソバット・スライディング・前転の三種が派生技として追加された。
 三種の当て身技は、動作中に他の当て身に切り替えることが出来る。
 突進蹴りの弓月は2Dにもあった派生技矢月・弦月に加えて前転が入った。
 SAは全キャラ最少の10個だが、必殺技の特性と組み合わせて考えると中々いいプレッシャーを与えることが出来ると思う。特に、ゲージが三本ある場合などSA5「斜め右下k、K(3k→K)」から超必の入り身灘月が三回連続で入るため、かなり手軽に6割ちょっと減らせる。似たコンボで8割減らす御仁も居る。
 
胴取り七悶殺(2ゲージ消費、73、万能当て身投げ)
リョウ  虎砲疾風拳はSAとして存在。
 斬烈拳だが、強で出すと覇王翔吼拳に化けず、上手く壁を使うとバウンドした相手にもう一度決まる。
 SAで空手的な受け動作を行う当て身技がある。当て身成功すると自動で反撃を繰り出すが、相手の技や速度によっては反撃動作中に次の攻撃が来てしまうこともしばしば。本来は当て身動作を行い、成功後に続けて入力するタイプのSAなのだが、入力しても相手の技によっては潰されてしまうし、タイミングも難しい。素直に入力を放棄して自動反撃にしてしまって良いんじゃないだろうか?
 SAからの連携もお手本的な入力で出るので、初心者が使っても楽しいと思われる。動作も空手的で格好良いしね。ビバ諸手突き。
 天地覇王拳(3本消費、80、カウンター時は120)
ユリ  百烈びんたでゲージがほぼ1本貯まる(正確には99.8%ほど)。
 3D化にあたり削除されたかに見える特殊技・必殺技がSAで登場している(旋回脚、ユリちょうナックル、ユリちょう回し蹴りなど。使い勝手もそこそこいい)。
 必殺技は当て身以外なら大体の種類が揃っており、SAもトリッキーさと使いやすさが同居している。性能が良いとは簡単には言えないが、奇襲と堅実両方を併せ持ったキャラではある。友人と遊ぶ際などは、派手な技やトリッキーな技で意表をつきながらプレイすると楽しい。
 
芯!ちょうアッパー(3本消費、90)

 旧キャラはそれぞれに欠点も利点もあり、誰を使っても慣れてくると楽しい。恐らくキャラの性能差は、SAをいかにして上手く使い、コンボを開拓するかで埋まってくるだろう。
 単純な性能で言うと、低いと感じたのは京とレオナ、高いと感じたのはロックだろうか。新キャラを含めた上での単純なキャラ性能を考えると、デューク・リアン・アルバが三強かな? しかし、SAや壁コンボを交えて考えると、大体のキャラの格差が埋まる。その上でもまだデュークとリアンは飛び抜けている感があるが。

 
隠し要素はボス使用(1人)・プロフィール(20人ぶん)・隠しステージ(7つ)・新カラー(各キャラ2つの40個)・リギングモデル(各キャラ1つの20個)の5種類、計88個。
 解放するための条件と、ミッションモードを併せて紹介しよう。
 まず、ボス使用は冒頭でも書いたとおり、アルバとソワレでストーリーモードをクリアすること(レベルは無関係)。これは説明書にも書いてある。
 そしてプロフィールは、ストーリーモードをクリアしたキャラのプロフィールが解放される(全20キャラ分)。
 
プロフィールモードは、各キャラの名前、異名、格闘スタイル、誕生日等の身体データと出身地、趣味などに加えて、簡単な設定を掲載。3Dモデルも表示されており、各モデルを鑑賞する事も出来る。この他に後述のリギングモデルの設定もここで行う。
 残りの隠し要素の解放は全て
チャレンジモードで行う。
 チャレンジはタイムアタックとミッションの二種類があるが、タイムアタックは隠し要素には関係ない。
 ミッションは1〜4レベルまであり、各10個の課題が用意されている。
 最初はレベル1しか解放されていないのだが、条件を満たせば別レベルも解放される。私の場合は、1レベルの課題を5つクリアしたら2レベルが解放され、ストーリーモードをクリアするとレベル3が解放された(実はこの時点でストーリーモードをクリアしてなかった)。他の順番で出た人もいるようなので、このあたりは目安にしかならない。とりあえずプレイしてれば勝手に解放される。
 
さてこのミッションモード、意外に面白い。
 今までのSNKの家庭用ゲームは、こういった隠しの解放が極めて作業的で、肉体的精神的に苦痛だったのだが、これはそうではなかった。
 例えばレベル1のミッション01だと、「必殺技・超必殺技を封印した状態で敵に攻撃を10回当てる」というもの。ライフもタイムも制限があるし敵も攻撃してくる。通常攻撃を当てても1つにカウントされるし、SAを多段ヒットさせればその分カウントされる。敵を倒す必要はなく、10回当てた時点で成功となりミッション終了となる。
 別の例でレベル4のミッション09だと、「こちらのパワーゲージ無し、2ヒット以下の攻撃はノーダメージという状態で、体力150%でガードクラッシュの起こらない京を倒せ」というものになる。
 段々とステップアップしていく上に条件が様々な状況を想定したものなため、適度な練習になりプレイヤー自身のレベルが上がるという仕組みだ。
 キャラチェンジもOKなので、どうしてもクリアできないミッションは別キャラで試すとあっさりと越せ、そのキャラの使い方を一つ知るという事もある。
 何よりも、1つのミッションをクリアするたびに、隠し要素が1つ解放されるという事がありがたい。
 このミッションモードで解放される隠し要素はステージ・新カラー・リギングモデルである。
 隠しステージは7つ。そのうちの2つはストーリーモードではお目にかかれず、SNKファンなら感動しきりな江坂ステージとギースステージである。ギースは当然として、私は江坂ステージに驚いた。今までも2Dでは何度も登場した江坂だが、3Dになったため、色んな角度の風景が見えるのだ。かつてネオジオランド三号店が存在していた頃に、一緒にロケテへ行った友人と「中もこんな感じだったな」とか、三号店向かいの酒屋さんや50円ゲーセンを見て「うおっ、あったあった!」などと妙な所で感動してました。
 
新カラーは――
 と、説明の前に書いておきますが、各キャラにはデフォルトで1Pモデルとまったく衣装(もしくは姿形)の違う2Pモデルが最初から用意されています。
 ラルフならKOFの衣装が1P、怒の衣装が2Pモデルですし、セスだとKOFのが1Pで2PはMr.ビッグと映画のレオンを混ぜたような渋い姿。クラークに至っては2Pは褐色の肌でスパッツ一丁のマッチョという「お前誰やねん」状態。まあ案外動いてると違和感ないどころか、格好良く感じるんですが。
 んで、その2モデルに2色ずつが最初から用意されているので、
開始時から一人4つの衣装(カラー)が用意されていることになるんですが、これに各モデル1つずつの追加、つまり各モデル3色から衣装を選ぶ事が出来るという事になります。また、この隠しカラーはファンサービスとして、別作品のキャラをモチーフにした特殊モデルとなっていたり、他のカラーとは基本は同じでも単純な色変えじゃなくて細かな3Dモデルの違いがあったりします。
 そして
リギングモデル。プロフィールモードでオン・オフの設定が出来るんですが、キャラクターの衣装に追加パーツを付けるというものです。ラルフならばヘルメットとバックパックと銃、ユリなら変な背負いものと天狗のお面、アテナはメガネ、セスは……ありゃ神だな(何) まあセスやマキシマは見てのお楽しみですが、かなりカッコイイです。色んな意味で。
 基本的に1Pモデルも2モデルもリギングで追加されるパーツは同じなんですが、K'・クラーク・アテナ・リアン・ミニョンとチェ・リムは1P用リギングと2P用リギングで物が違います(解放は一纏めで出ます)。凄く似合わないお座なりなパーツもあれば、キャラを引き立てるようなパーツもあって、中々楽しいです。3Dゲームならではのオマケ要素ですな。

 
――総評――

 面白い。
 「SNKだから」だとか、「期待してなかったから」だとかではなく、純粋に楽しい。
 私は3D格ゲーが苦手で、かといって2Dも下手の横好きだけれども、それでも友達とワイワイ楽しめる。練習でさえ面白い。
 最初はちょっと触って「なんじゃこのキャラ」と思ったキャラが多かったけれども、少し使ってみると面白くなってくるのは良かった。今の時点で「なんじゃこのキャラ」という印象のままなのは、リアン・ネヴィルとボスのデュークだけです。
 隠し要素も一つ一つはショボく感じても、結果的に見れば満足できました(いらんカラーでも友人が使ってたりするしね)。

・良かった点
 爽快感のあるゲームスピード
 SAが初心者でも格好良く気持ちよく出せる
 SAを突き詰めればいろいろなコンボの可能性があるので、壁を利用したコンボの開発、開拓が可能
 上級者だけでなく、初心者でもコンボを探す余地がある
 キャラの性能・必殺技の性能・SAの性能をトータルすると、キャラ格差がかなり埋まる
 3Dならではの演出や、ファンのツボをついた演出が多い
 ロードはあるが気にはならない速さ(気にさせないロード演出)
 音楽がかなり格好良い
 綺麗で遊び心もある背景
 ミッションが練習・隠し解放の両面で楽しめる
 動いているとかなり綺麗に感じるキャラ

・悪かった点
 説明書などに書いてあるストーリーが屑(元の設定を無視しすぎている。キャラによってストーリーの分量が違いすぎる。話の作りや設定、言葉の選び方が陳腐。純粋に文章が下手)。感情的でない言い方をすれば、ファン層にストーリー等の設定を重視する層が多い事に対して、ライターの個人的な(キャラへの)印象や思い入れを全面に出し過ぎており、文章も商業作品のクオリティに達していない。
 ゲーム速度が速いために技の演出が短い
 キャラが全20人と少なめ
 リアンとデュークが壊れてる
 バクか調整し忘れたかと思うような強さの技がちらほら
 コンピューターが尋常じゃなく強い(特にボス)
 壁やダウン回避、それに絡むコンボなどの調整不足
 位置情報の処理が甘い

 買いかどうかと聞かれれば、買いです。一人で遊ぶには(格ゲーですから)限界がありますが、対戦相手が何人かいるようなら、買ってしまっても損はないかと。ネットの意見を見ると、賛否両論ハッキリと別れていますが、とりあえず私は肯定派です。久しぶりに買って後悔しなかったKOFでした。願わくば、これからもこれ以上のクオリティと情熱でゲームを開発して欲しいものです。

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