過去日記ログ
注:古い日記ですので、情報の誤りや、今とは違う価値観で書いているものがあります。
閲覧に当たっては、充分にそれを念頭に置いて下さい。


06/02/06
金曜日

晴れ
SOUND BOOK
FORT MINOR
[KENJI]
from "The Rising Tied"
-novel-
なし
更新箇所
先月の日記をログ送り

 土曜に仲間たちと会うと書いたばかりで何なんですが、日曜には太極拳の普及指導員試験があります。朝9時から講習スタートなので、仲間と呑みに行くのは無理っぽい(泣) 会って喋って、飲む時間になったら帰宅という流れになりそう……。
 現在は試験勉強の真っ最中。24式太極拳の順番を全て漢字で書かなければいけないという話を聞いたので、「漢字は苦手だなぁ」と思って書こうとすると、まったく字が出てこない。
 そもそも、日本で使わない漢字が混ざっているうえに、先生から(訛りの入った)中国読みで教わっているせいで、耳と体で覚えている動作名と漢字が結びつきにくい(汗)
1.起勢(チーシー)
2.左右野馬分髪*(ズォヨウイェマフェンゾン。*髟の下に宗)
3.白鶴亮翅(バイホーリャンチ)
4.左右婁*膝拗歩(ズォヨウロゥシーアォブ。*手偏に婁)
5.手揮琵琶(ショーホイピーパー)
6.左右倒巻肱(ズォヨウダオジェンゴン)
7.左攬雀尾(ズォランチュウウェィ)
8.右攬雀尾(ヨウランチュウウェィ)
9.単鞭(ダンビェン)
10.雲手(ユンショウ)
11.単鞭(ダンビェン)
12.高探馬(ガオダンマ)
13.右登*脚(ヨウドンジャオ。*足偏に登)
14.双峰貫耳(スァンフォングァンアル)
15.転身左登*脚(ズァンシェンズォドンジャオ。*足偏に登)
16.左下勢独立(ズォシャーシードゥーリー)
17.右下姿独立(ヨウシャーシードゥーリー)
18.左右穿稜*(ズォヨウチャンスォ。*本来はノ木偏ではなく手偏)
19.海底針(ハイディージェン)
20.閃通臂(シャントンペイ)
21.転身搬欄*捶(ズァンシェンバンランチュイ。*本来は木偏ではなく手偏)
22.如封似閉(ルーフォンスービィ)
23.十字手(シーズーショウ)
24.収勢(ショウシー)
 これを全部暗記。
 そりゃ、まがりなりとも1級持ってるんで動作は当然暗記してるんだけれども、漢字が、漢字がっ(泣)
 これに加えて、歩型・歩法・手法も覚えなきゃいけない。
歩型:並歩、開立歩、弓歩、虚歩、仆歩、独立歩
歩法:上歩、退歩、踉歩、側行歩、擺歩、登*脚(*足偏に登)
手法:推掌、婁*掌(*手偏に婁)、抱掌、分掌、穿掌、桃掌、雲掌、架掌、挿掌、欄*掌(*本来は木偏ではなく手偏)、貫掌、搬掌、衝掌
 まあ、なんだ。日本語で喋れと。コレ、覚えてる物は全部中国読みで覚えており、覚えてないものは何て読むのか解らないという惨状。
 てか、普及指導員ってのは言わば最下級の指導員なので、教えれる内容も狭いわけで……どこまでが普及指導員の範囲なのかが逆に解らんorz
 少なくとも、上歩を含む動作9つとかは試験範囲のはず。

 ここ見てる人の大半は太極拳を知らないと思うので、ちょっと級とかの解説を。
 日本武術太極拳連盟では5級〜3段までを認定してます。つまり日本の最高段位は3段。それ以上の太極拳の段位を持っているという人は、日本武術太極拳連盟とは関係ない、別系統の太極拳の人でしょう(以前TVのバラエティで太極拳5段を名乗る夫婦が出てた事があった)。この連盟が国際標準の太極拳を教える団体だと考えて下さい。
 試験内容は5級:入門太極拳、4級:初級太極拳、3級:24式太極拳・前半、2級:24式太極拳・後半。
 2級試験までは、それぞれに対応した公認指導員が3名以上立ち会いさえすれば、各教室で年に数回試験が実施できます。
 1級以上の試験は、それぞれの都道府県の連盟が主催し、連盟が指定した会場で1年に1度(1級は2度)だけ試験が行われます。
 私は1月に行われた試験で合格したので現在1級ですが、落ちていたら8月頃に開かれる試験で再受験になっていた事でしょう。
 1級以上の試験内容は、1級:24式太極拳、初段:24式太極拳、2段:24式太極拳&32式太極剣、3段:24式太極拳&太極推手。
 1級は一般に合格率90%と言われていますが、落ちるときゃ落ちます。
 剣道などと同じで、習っている年数と所持している級によって受験資格が発生するので、1級を受けれるようになるまで太極拳やってたら嫌でも合格圏内の実力は養えますし、送り出す先生側も「こいつは無理」って思ったら出さないらしいです。
 これに合格すると「普及指導員」の受験資格が貰えます。私は今ココなわけですね。
 初段以上になるとその「こいつは無理」ってのに加えて、受験資格持っている側でも「あ、まだ無理かな」というのが解るようになってくるので、やっぱり合格率は80〜90%ぐらいだと聞きます。この初段に合格すると、「C級指導員」の受験資格が。
 これが2段になるとグっと減って……60%? 具体的な数字はちょっと忘れましたが、約半分は落ちるぐらいです。滅茶苦茶難易度が上がって、さらに剣まで加わるため、どれだけ24式が上手くてもそれだけじゃ落ちる、と。ここに受かったら「B級指導員」の受験資格が貰えます。
 最後の難関、3段。栄光の3段です。なんと合格率は10〜15%程度。3段を受験するレベルというのはズバリ、太極拳教室の先生クラスです。それが合格率20%を切るわけで……。ここに受かると、最高位である「A級指導員」の受験資格が!
 私の先生は当初、級とか段に興味が無かったのでスルーしていたんですが、手塩をかけて育てたお弟子さんがどんどん段や指導員資格を取って、離反してしまったそうで苦渋をなめたようです。それでも大量にお弟子さんがいるわけなんですが、薦められて段や指導員をいざ受験しようとすると、日本語が苦手なために筆記で落とされたり、中国本土で学んだ太極拳と日本連盟の規定とのズレで落とされたりと、更に苦渋をなめさせられたようです。それでも、何だかんだでA級指導員取れてるから凄いなぁ。
 現在は連盟側も武術的な方向にゆるやかにシフトして行っていると聞きますが、未だに実用的な武術としての太極拳だと、試験や競技会の時に結構ごちゃごちゃ言われるらしいので、まだまだギャップは埋まってませんね。
 本場の中国でも太極拳を含む伝統武術は、例の文化的とは言い難い大革命で使い手が弾圧・虐殺されて潰えてしまったものが多いそうです。今の残っている中国武術をTVなどで見ても「すげぇ!」ってなるのに、これでも壊滅的な打撃を受けた後って言うのなら、以前はどんなだったのかとても気になります。

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06/05/06
月曜日

晴れ
SOUND BOOK
省略 -novel-
なし
更新箇所
ちょこちょこ修正

 ここ最近の太極拳日記の訂正。
「左右婁*膝拗歩(ズォヨウロゥシーアォブ。*手偏に婁)」
 こう書きましたが、手偏に桜の右っかわだけでOKというか、日本連盟的にはそっちが正解っぽいです。
 後は、太極剣の房についてですが、どうも大昔はあんな房が無かったらしいんですよね。
 先生曰く「邪魔でしょ」、ごもっとも。
 聞きかじりなので話半分にとらえて欲しいんですが、儀礼やら装飾やらでその邪魔になる房を付けるようになって、腕に覚えのある人ならば本来邪魔であるはずの房でさえも敵を攻撃できる、それが転じて房を付けているという事は腕に自信があるという意味もあるとか何とか。現在の剣に房がついているのは腕云々ではなく、「そういう物」になったから付いているようですね。
 達人ならば房で相手の手を打ち据えたり視界を遮ったりという、補助的な使い方ができるようですが、先生曰く「武術ができる」と名乗るためには最低限、剣・刀・槍・棍は使えないといけないそうです。それらが使えるのならば、後はなんでも使えるようになる、と椅子を振り回しながら仰ってました(ぇ

 さて、以前書いたように日曜は指導員の試験を受けに行ってました。
 ……で、なんで講師の言うとおりにしたら脚を痛めているんでしょう?
 試験官が10人いて、そのうちの半分ぐらいが試験後の実技講習で講師となるわけなんですが……下手だよな?(無礼)
 胸を張って(技術は)うちの先生の方が上手いと断言できます。だからと言ってうちの先生が誰なんだというのは言えませんが(ぉ
 うちの先生は人間関係の構築が凄く下手だからなぁ。空気読めないし、言葉足らずだし、初心者に解るように教えるの苦手だし(ぉ
 講師Aはお世辞にも上手いとは言えず、たかが1級程度の私でさえ間違いを指摘できるほど武術太極拳を理解できてませんでした。講師Bは……ちょっと極端というか、変な事を言ってらっしゃいました。有名な人らしい講師Cもいたんですが、その講師が教えてる時にふらりと現れた講師Bに目を付けられちゃいまして、変な駄洒落みたいですが矯正を強制されました。んで、言うとおりにしたら脚傷めたと。
 言ってることが理にかなってないんですよ。そのやり方だったら絶対に脚に負担をかけて壊してしまうと思ってたんですが、ず〜っと目を付けられてたので、仕方なく言うとおりにしたわけですが……。
 納得できなかったので今日自分の先生に質問してみると、どうも講師Bは初心者(それもかなりの)に教える内容を言ってたらしいというのが判明。つまり初心者に教えるべく受験した指導員候補達は、初心者レベルという事ですか? ついでにその先生が3段落ちまくっているといういらん情報も(苦笑) こういう先生が指導者候補に教えるってのもなんだかなぁ。有名らしい講師Cも投げやりというか、いい加減な事を言ってらしたし、ちょっと府連盟の講師に不信感。
 まあ派閥とかある世界ですし、割り切らないといけないんだけどね。実際、府連盟に習いに行ってる人の日常会話でも「あの先生は教える事は立派だけど、本人は自分で教えている内容どおりに出来ないから、言ってる事だけ聞いてればいい」とか、「あの先生は教えるときに教本を読みながら教えていた」とか出てくるし……。
 町の小さい教室とかの先生方も手塩をかけて育てた生徒を、いい感じに育って来た所で連盟に持って行かれてしまうという不満があるようだし、金銭関係の不満もしょっちゅう。私も今回の試験で受験1万、合格したら登録料2万、4年ごとに更新料1万取られます。もう1ランク上の試験だと5万は掛かるというし、普通に級とか段とかでも万を越える金額がかかります。現場の不満の声が良く聞こえますよ(苦笑)
 しまった、書いてるうちに「ちょっと不信感」から「凄い不信感」にレベルアップした(ぉ

 肝心の試験の方は1時間の筆記。
 24式太極拳を全て正確な漢字で書けるようになり、各動作の手法・歩法・歩型で試験範囲になりそうな物は全て覚え――出ねぇ(泣) いや、まったく出ないわけじゃないんだけど、大半が記号選択式。しかも試験勉強を、まず全動作漢字で書いてから「この歩型はこれ、この手法はこれ」といったように、自分で書いた全動作に視覚的に当てはめてたので、調子が狂う。まあ暗記した甲斐あってほとんど覚えてるからいいんだけど。
 開始10分で終わったので、退室許可の出る30分までずっと見直し。狙うは100点。
 結果が出るのは今月末――なんだけども、どうやら合格したらしいというのが伝わってきた(笑)
 そして100点は逃したというのも(泣) どこ間違ったんだろうなぁ。

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06/13/06
火曜日

晴れ
SOUND BOOK
なし -novel-
なし
更新箇所
備忘録修正

 さて、ワールドカップも終わりましたねorz
 なぜに小野……。
 クロアチアとブラジル相手に1勝1分〜2勝じゃないと無理って、あの試合内容見てる限りじゃそれが無理やがなorz
 三都主がミスプレイしかしてない印象なんですが、サッカー解る人から見たらどうだったんでしょう?
 それにしても、決定力不足は解ってたけど、防御力まで薄っぺらいとはなぁ……。
 まあ、前向きに考えよう。これでクロアチアと何よりもブラジルに勝って次に進めれば! orz

 お、そういえばWeb拍手をちょこちょこといただいています。ありがとうございます。
 SNKPDの方ではWeb拍手レスとかやってますが、こっちでどうするのかを決めてなかったなぁ。むしろコメント付き拍手を頂けるとは(ぉぃ
 よっしゃ、引用なしでレスという形にしよう。

>先月末の太極剣を読んでいただけた方
 太極拳ネタはあまり望まれてないかなと思っていたので、反応があってビックリです。
 書いても大丈夫っぽいとなると、更新のチャンスも増えたり増えなかったりしますぜ!(どっちや)

>神無突きの人
 うぃ、ありがとです。そういや、この前のえみつの兄さんに「待ち合わせ遅れます」という電話をしたとき、焦っていたせいか電話の終わり際が「よろしくです〜」という、どこの頭の弱いゲームキャラだという状態になってしまい、一人JR大阪駅で愕然としてしまいました。
 やっぱり皆はオールでカラオケかいな、いいなぁ。次回こそは! ……こう言ってると次回は「この前みたいにオールは無しな」ってな流れになる予感。

>居を合わす也の人
 居合もそんな感じですか。居合でさえそんな感じですか(´・ω・`)
 太極拳の場合は中国本土はこういうしがらみが無さそう(有っても無視して極めている所が多そう)だったので、日本独特の悪いところなのかも知れませんね。嫌だなぁ。

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06/15/06
水曜日

SOUND BOOK
なし -novel-
なし
更新箇所
ギャラリー&アラニア:アラニア世界の基礎知識

 アラニアの更新日が黄色くなっている事で「おっ!」とか思った方、いらっしゃいましたら微妙にゴメンなさい。小説部分の更新ではありません。
 アラニア世界の基礎知識の「大陸」という項目を更新しました。
 主な変更点は、中央大陸の追加と南の大陸の大幅な改訂です。また、各大陸で紹介している国の国軍と国教についても追記していますので、興味がある方は是非どうぞ。
 一見ほったらかしに見えますが、ちゃんと考えてるねんで〜という証明になれば幸いです。
 中央大陸については、これまであまり触れる機会が少なかったのですが、こっそりと設定は存在しており、現在進行形で改良されています。

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06/23/06
金曜日

曇り
SOUND BOOK
なし -novel-
J.K.ローリング
[ハリーポッターと謎のプリンス]
更新箇所
備忘録更新

 ようやくハリーポッターの新刊を読了。
 いや〜、面白い。ハリー、ロン、ハーマイオニーの友情にもお年頃という壁が現れ、そして何よりも前巻に続いてポッと出ではないキャラクターが舞台から去る。前巻のキャラに引き続いて、子供向けと思っていたハリポタでこういう展開になるとは思ってなかったので、実は次巻あたりでまた出てくるんだろ、と言いたいんですけど……むぅ。炎のゴブレットで死んじゃった新キャラと、不死鳥の騎士団および謎のプリンスで去ったキャラ達では読者的にもハリー的にも重みが違うと思うんですけど、このまま二度と舞台に上がらない気もします。
 長く続いてきたハリポタも遂に次巻が最終巻。楽しみに待っていよう。

 密かにアラニアの地盤を固めるために基礎知識の更新を考えてて、メインになる時代の有名人物を纏めてたんですが、一発目のラカンで「そういや、こいつの享年設定してたかな?」と(ぉ
 設定資料を洗い直してます。

 あ、備忘録にZABADAKの新譜「HISTORY OF ZABADAK」を追加しました。
 10年ぶり4枚目のベストアルバムなんですが、初めて曲目見たときにはかなり驚きました。
 ザバダックは初期、中期、ソロ、現在に分けられるんですが、その全ての時期から曲目をチョイスしてるんですわ。
 それぞれの時期でまったく曲の感じが違うため、凄い面白いアルバムになってる気がします。
 初期は吉良知彦&上野洋子&松田克志の3人で、中期は黄金時代と呼ばれる吉良知彦&上野洋子の2人時代。この辺りまでの代表曲には"不思議な世界"を印象づける曲が多く、アイルランドやケルト系の曲も多い。
 その後「のれん分け」をして吉良知彦のソロプロジェクトになって初期→中期以上に劇的な変化を遂げ、元々吉良知彦が持っていたプログレッシブロックに突っ走って迷走し(良い曲もあるけどね)、演劇集団キャラメルボックスの舞台をはじめとする舞台用音楽に曲を提供しまくり、現在の吉良知彦with小峰公子のような不思議なソロプロジェクトに落ち着いています。
 小峰公子は初期だか中期ぐらいから詩を提供したりコーラスに参加したりしてたんですが、気付けばコンビみたいに。どうもハッキリとは解らないんですけど、多分夫婦? 息子さんと昆虫とりに行った日記など微笑ましい様子がサイトで見れますw
 Wikiによると上野洋子とは「のれん分け」とは言っても喧嘩別れみたいな状態らしく、確かに公式サイトのBBSでも中期ザバダック時代の話題は本人からも他のファンからもスルーされる傾向に見えます。
 だからこそ、初期〜中期を含んだ(しかもレコード会社が変わりまくっている)のには驚いたってわけですな。
 私は今のところ様子見な感じなんですが、興味ある人はこの1枚買ったら「どのCD買おう」という悩みは解決かと。
 私が最初買ったときは、スクウェアのゲーム「クロノクロス」のエンディングのギターと、当時好きだったBMS作家さんが名前を挙げていたのが時期的に重なって、「こりゃなんかあるな」と探して「創世記」という最初のベストアルバムを買ったのが切っ掛けでした。それが初期ザバのベスト。
 あらかじめ時期によって全く別のアーティストのように聞こえるというのは知っていたので、更にCDを買い足し、次かその次あたりに買ったのが「Decade」これが3枚目のベストアルバムで、「のれん分け」までのベスト。これで完全にザバダックにはまった一枚でした。
 ザバダックにはまれるかはまれないかは、最初に買ったCDでかなり影響されるので、興味がある人や、他の人に勧める場合は今回のベストはかなり良い選曲だと思います。強いて言うなら、現在のザバダックの底力を示すためにも「豊饒祝歌」か「生まれては別れにむかうわたしたちのために」は入れて欲しかった。

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06/25/06
日曜日

にわか雨
SOUND BOOK
鬼のようにZABADAK -comic-
高津カリノ [WORKING!! 2]
更新箇所
↓でZABADAKのCDレビューをw

 23日の日記でZABADAKについて触れたので、今日も継続。
 所有している全アルバムを紹介しようという企画の前編です。
 おまけに全収録曲評価もしちゃおう。
 めちゃくちゃ長いと思うけど、お付き合いくだされ。
 順番は基本的に発売順。一部前後しますが、再販などがあるためです。

 今日は前編。初期、中期、ソロ、現在と分けられるザバダックの中で、初期〜中期のCDを紹介します。

・AFTER THE MATTER(2001/03/29)
1.BARBARIAN
★★☆☆☆
2.IN THE TWILIGHT
★★☆☆☆
3.SUNDAY MORNING
★★★★★
4.THE MURDER CASE IN OHIO
★★★☆☆
5.AFTER THE MATTER
★★☆☆☆
6.夜
★★☆☆☆
7.POLAND
★★★☆☆
8.DAY OF THE OWL
★★★★☆
 1984年に作られた吉良知彦の自主制作レコードのCD版。元がレコードなため、レコード特有のノイズが入っているがそれが逆に心地よい。
 当時、音楽への情熱が尽きかけていた吉良知彦は、友人からすすめられたケイト・ブッシュを聞いて衝撃を受けて当時のバンドを辞める。同じように煮詰まっていた上野洋子と組んで活動をし、松田克志を加えてZABADAKとなった。デビューは1986年なので、このアルバムの原盤はデビュー前の物である。
 曲のほとんどが英語だったりインスト曲だったりする。日本語のは1曲だけ。既に代表曲「ポーランド」や、初期代表曲の「オハイオ殺人事件」のオリジナル版が存在する。
 もちろんその後のアルバムに入るものとはバージョンが違う。24歳の吉良知彦が味わえる一枚。
 このアルバムの中で特筆すべきはSUNDAY MORNING。この一曲のためだけに買っても良い。
 ただし、現在は入手困難なためZABADAK公式サイトやライブ会場以外での購入は偶然に頼る他ない。私は梅田のタワーレコードで入手。なお、唯一の日本語曲、夜は高橋久美子なる女性ボーカルが、夜につまみ食いをするのはいけないと解ってるけどつまみたくなるのよねと歌う謎の曲である。でも案外耳に残るw
創世記〜ザ・ベスト・オブ・ザバダック+2(1996/12/11)
1.月
★★★★☆
2.蝶
★★☆☆☆
3.ガラスの森
★★★★☆
4.パスカルの群れ
★★★☆☆
5.夜の彷徨
★☆☆☆☆
6.ハイド・イン・ザ・ブッシュ
★★★☆☆
7.シェラフィータ
★★★☆☆
8.朝
★★★★☆
9.ラ・フェット
★★★★☆
10.美・チャンス-妖しい輪舞-
★★★★☆
11.チグリスとユーフラテスの岸辺
★★★★★
12.オハイオ殺人事件
★★★★☆
13.水のルネス
★★★★☆
14.ポーランド
★★★★★
15.イージー・ゴーイング
★★★★☆
16.水のソルティレージュ
★★★☆☆
17.わにのゆめ
★★★★☆
 1992年に発売された初期ザバのベスト版に、水のソルティレージュとわにのゆめの2曲を追加した廉価版。
 私のみならずとも、明確に「ベスト」と名前が付いた唯一のアルバムなのでこれを最初に買ったという人も多いだろう。
 当時は吉良知彦の歌が下手で、上野洋子も声が完成していない。しかし二人とも妙に技巧を越えた何かを感じさせるという点では、既にZABADAKの形が出来上がっている。
 アルバム前半は上野洋子が高音で幻想的に歌い、バックで吉良知彦らしき声がやたら低音でコーラスやメロディを歌うというタイプの曲が多い。中盤からはデュエット曲に変わり、後半からは吉良知彦ボーカルの曲に変わっていく。先のアルバムと被る曲もいくつかあるが、夜と朝は何の関係もないので注意。
 1曲目の月は50秒ほどの曲だがしっかりと歌詞があり、「これが(初期の)ZABADAKだ」という世界に引き込むイントロ曲としては抜群。
 3曲目、ガラスの森はザバ特有の「ライライ♪」というバックコーラス(?)といい、曲調や上野の歌い方といい、初期に見られるファンタジーや童話に通じる異世界的な楽曲の代表例である。
 9&10曲目は吉良&上野が交互に歌うタイプのZABADAKとしては珍しい曲。
 11&17曲目は87年に脱退した松田克志による作詞で、吉良&上野では出せない独特の世界観を持った曲に仕上がっている。吉良の上手くはないけれども味のあるボーカルがとても良く合っていて、初期ザバ屈指の名曲に仕上がっている。
 14&15曲目は共に反戦から生まれた曲で、現在でもZABADAKの代表曲とされる名曲。ポーランドはインストゥルメンタルながら、哀しげなリコーダーと泣きのギターがメッセージ性を伝えてくれる。イージー・ゴーイングは軽やかで楽しげなメロディに英語の歌詞なのだが、歌詞を良く聴いて意訳すると「もし戦争が始まったら私は人を殺すだろう。それは簡単な事だ、そうした方が楽だから」などと歌っていたりする。
遠い音楽(1990/10/25)
1.満ち潮の夜
★★★★★
2.夢を見る方法
★★★★☆
3.遠い音楽
★★★★★
4.二月の丘
★★★★★
5.愛は静かな場所へ降りてくる
★★★★★
6.生まれた街へ
★★★★☆
7.Sarah
★★☆☆☆
8.Around The Secret
★★★☆☆
9.とぎれとぎれのSilent Night
★★★☆☆
10.harvest rain(豊穣の雨)
★★★★☆
 なんでこのクオリティでベスト盤じゃないのかが不思議でならない。
 普通のアルバムとしては異常なまでに質が高い4thアルバム。でも実は5枚目w
 先述の2枚よりも発売時期は古いが、あれらは初期ZABADAKなので先に書いた(つまりCD化されてなかったり、廃盤になったのを再販したりで発売時期が新しいだけなので)。
 中期ZABADK最初の1枚目にして代表作。「心の治療」をテーマにしたというだけあって、下手な癒し系アルバムなんか目じゃないぐらい癒される。私風に言うと、ファンタジー脳を刺激しまくる1枚でもある。
 1曲目、満ち潮の夜はイントロのリコーダー&ギターというZABADAK最強の組み合わせで始まり、「一人が寒い時は満ち潮の夜を待つ。真白い服を纏い、ワルツ踊る相手を探す。スラーズ・マリーツァ、その言葉口ずさんだら、スラーズ・マリーツァ、ほら空に月がはじけた」というファンタジー脳を刺激される童話というかフォークロア的な歌詞が始まる。間奏の1:50あたりから、男声コーラス+ギター伴奏→さらに+ギターメロディ→さらに+女声ボーカル→さらに+ベースと展開していき、再びサビが始まるメロディ展開が鳥肌経つぐらいツボ。
 2曲目の夢を見る方法は、相変わらず上手くない吉良知彦ボーカル曲w しかしながら歌詞の「誰もが手つかずの地面を掘るのに夢中。引き算だらけの計画に誰もが夢中。今この時に消える声を聞かずに、化石の中に夢を捜せというの」という反骨的な歌詞が吉良に合っていたのか、ピタリとはまった曲になっている。これまた2:20辺りからのバイオリンソロからギターが加わって、リズムが加わってという展開が格好良い。
 3曲目の遠い音楽は、言わずと知れたZABADAKの代名詞。アルバムタイトルにもなっているが、ZABADAKといえばコレかポーランドというほどの代表曲。ただし、この曲は名曲故に後のアルバムにも別バージョンで収録され、段々曲のパワーに磨きが掛かってくるので、これだけが聴きたい場合は無理にこのアルバムを買わなくとも良い。全バージョン中最も曲のスピードが速く、後々のバージョンに慣れてると「速くない?」とか思ってしまう。作詞は原マスミ氏。
 4曲目、二月の丘。リコーダーソロから始まり、続いて打楽器が加わり、上野洋子のボーカルが入り、ようやくギターが入るというなんともアコースティックにして民族的で幻想的な一曲。一言で表わすならケルティック。ケルト音楽が好きな人には評判が良いかも知れない。
 5曲目は海外でレコーディングされた、愛は静かな場所へ降りてくる。あいしずの愛称で親しまれる。曲名に反して、大音量で聴くことをお薦めする。イントロには通常音量じゃ聞こえないぐらいの音量で、現地の人らしき楽しそうな外人さんの歌声が入っている。後に発売されるベスト「decade」にも収録され、ライナーノーツに「リアルワールド(スタジオ名)のお調子者、アシスタントのリチャード君は、この曲をきいてやけにマジな顔をして『何てHolyな曲だ』と感動していた」と記されている。このリチャード君の一言が全てを物語っている。
 6曲目の生まれた街へは、個人的に凄く歌詞がツボ。吉良知彦ボーカルともピッタリ合っていて、作詞作曲かなと思っていると、作詞は小峰公子。夢を見る方法と同じパターン。「生まれた街へ向かう古ぼけた汽車に乗り、海の香りが溶けた風を窓から入れる。なつかしい風景の中に立つただそれだけの僕は、どんなふうに見えるだろう」という出だしの歌詞で何となく解って貰えればなぁと思う。スローテンポで歌詞の情景が脳裏に鮮やかに浮かぶ、郷愁的な曲。
 8曲目は他の楽曲に比べると質が落ちると感じてしまうものの、一番ケルティックな一曲で、マザーグース的な歌詞も面白い。
decade(1993/09/25)
1.POLAND(New Version)
★★★★★
2.FOLLOW YOUR DREAMS
★★☆☆☆
3.夜毎、神話がたどりつくところ
★★★★☆
4.harvest rain(豊穣の雨)
★★★★☆
5.GOODBYE EARTH
★★★★★
6.小さい宇宙
★★☆☆☆
7.水の踊り(オリジナルバージョン)
★★★☆☆
8.わにのゆめ(Live Version)
★★★★☆
9.マーブルスカイ
★★★☆☆
10.愛は静かな場所へ降りてくる
★★★★★
11.砂煙のまち
★★★★☆
12.夢を見る方法
★★★★☆
13.五つの橋
★★★★☆
14.EASY GOING(New Version)
★★★★☆
15.遠い音楽(Live Version)
★★★★★
 中期ZABADAKのベストアルバム。
 これを最後に上野洋子が脱退し、黄金期と呼ばれた中期ZABADAKが終わりを告げる――が、この後の吉良ソロ時代を迎えてもアルバム化されていなかった曲や何やで中期ザバのアルバムは何枚か出るw
 1曲目は、ZABADAKの代表曲POLANDのニューバージョン。こちらは2chのフラッシュ「大和心とポーランド魂」にも使われているため、聴いたことがあるという人も案外いそう。黄金期に生まれ変わったポーランドを是非。
 3曲目は何かキャラバン的なイメージを抱かせる力強いギター&ベースのメロディに、「もしかしたなら、この森の彼方には夢見た国があるのだろうか。さすらう心解き放つかがり火に、その国の地図見えるだろうか」という歌詞が見事にハマっている。今見たら、また小峰作詞の吉良作曲&ボーカル。
 4曲目のharvest rain(豊穣の雨)は、先ほどの「遠い音楽」にも収録されている。小峰作詞、吉良作曲、上野ボーカルという今ではありえない組み合わせだが、それだけに素晴らしい出来。ライナーノーツの「誰もが心の奥底に持っているであろう、良心とか暖かさといったものがウマく言葉に表れていると思う」という上野洋子の言葉通りの一曲。
 5曲目GOODBYE EARTHは吉良知彦の作詞作曲で上野洋子ボーカル。タイトルと吉良作詞という時点で、皮肉の効いた物を想像した貴方は察しが良い。歌詞は全て英語だけど、ちょこっと書き出す。「Still I do remember How many trees they've cutting down Surely I am aware of how How many species rooted out」――つまり、人間のエゴでどんどん傷つけられて行っている自然や、絶滅していく種族について歌っているわけだ。上野洋子の澄んだボーカルに、主張しすぎない哀しげなギターが、胸に訴えかけてくる。
 11曲目の砂煙のまちは初期ザバにいた松田克志作詞。8曲目のわにのゆめと良い、この人のどこか屈折した世界観は心地よい。
 13曲目、五つの橋。これは1曲の中に物語がつまっている。現代版吟遊詩人というか、物語の構成としても良くできているのに、曲としても良くできているのだから素晴らしい。作詞は工藤順子氏。今調べて知ったけど、結構作詞界では有名っぽい? ネームバリューはともかくとして、良い詩が良い曲と良い歌い手に会ったという事実で充分。店先で眠る古びた楽器が、かつては旅の男と共に五つの橋を越えて旅をしたという思い出を夢に見ながら眠っているというお話。
 14曲目のEASY GOINGは、これまた吉良節全開の陽気で軽快で皮肉満載の反戦曲の新バージョン。前にもちらっと触れたけど、歌詞は全て英語で意訳すると、「たぶん戦争が起こったら僕は人を殺すだろう。それは簡単な事さ、そうした方が楽だから。たぶん僕が飢えていたら、僕は盗みをするだろう。簡単な事さ、そうした方が楽じゃないか。たぶん僕は生き残るためだったら友人を売るだろう。それが恐ろしい、とても恐ろしい」といった内容を、日本人が英語苦手だからといって軽快な音楽に乗せて歌ってます。
 ラストは遠い音楽のライブ版。しっとりと、ゆっくりと、じっくりと心に染み込む名曲。眠りにつく前にこれを聴くと快眠保証w
 Amazonを見ると、どうやら多少のプレミアがついてるみたいだけれども、都市部の大型CDショップに行けば入手できる可能性が高いんじゃないかなぁと。これまたHMVとかタワーレコードとか行くと、つい2年ほど前には一番入手しやすいCDだったので、生産終了で入手困難というのが意外。ライブバージョンやニューバージョンはこの先再録されない可能性が高いので、それが聴きたい場合は見かけたら即決で買って損はないはず。
prunus zabadak in concert(1994/08/20)
1.マーブルスカイ
★★★☆☆
2.Psi-Trailing
★★★★☆
3.アジアの花
★★★★☆
4.二月の丘
★★★★★
5.椎葉の春節
★★★★☆
6.歩きたくなる径
★★★★☆
7.光の人
★★☆☆☆
8.天使に近い夢
★★☆☆☆
9.五つの橋
★★★★☆
10.Tin Waltz
★★★★☆
11.桜
★★★★☆
 中期ZABADAKが終わる直前のライブアルバム。MCなどは入っておらず、コンサート会場であるというのを感じさせるのは観客の拍手と、CDとは違った曲の雰囲気のみ。その雰囲気が大切で、演奏にも歌にも、とても良い空気が満ちている。
 CD収録時よりも歌い慣れているというのも感じさせるほど、演奏や歌の完成度が高いのも特徴。
 楽器の生演奏も素晴らしく、一つ一つの音が弾き手を感じさせる。CD版には無かった楽器が加わっている事もあって、その音を聴くのがまた楽しい。
 2曲目のPsi-Trailingと10曲目のTin Waitzは後に出るアルバム「Pieces Of The Moon」の項目で後述するが、名曲。
 4曲目の二月の丘は、前にも述べたが曲の全てが私の好みなのに、これでは更に様々な楽器の音が生き生きとしており、初めて聴いた時は鳥肌ものだった(実はこのアルバムを先に買っていたので、二月の丘を初めて聴いたのはこのバージョン)。
 5曲目、椎葉の春節はちょっと変わった一曲。宮崎県の椎葉村に伝わる春節をアレンジした曲で、上野洋子のアカペラで始まる。この曲もこのCDで初めて知った曲だったが、歌詞カードが存在しないCDなので、方言混じりの歌詞が聞き取れず苦心した思い出がある。
 11曲目の桜は、この後のソロ時代を代表することになる吉良知彦のインスト曲。演奏時間8分38秒のインストゥルメンタルが普通にコンサートで演奏されるあたりが、ZABADAK。なお普通のCD版だともうちょっと長い。ipodでこの曲が回ってきたら長いので飛ばしてしまう事も多いが、長いだけはある曲展開で聴いていて面白い一曲。
賢治の幻燈(1995/09/21)
1.Prologue 2.双子の星 3.オツベルと象(第一日曜)
4.グスコーブドリの伝記 5.オツベルと象(第二日曜) 6.かしはばやしの夜
7.やまなし 8.水仙月の四日 9.オツベルと象(第五日曜)
10.よだかの星 11.エピロヲグ-銀河鉄道の夜-
 宮沢賢治生誕百周年を記念して作られた、吉良知彦名義のコンセプトアルバム。
 宮沢賢治の作品に、ZABADAKが楽曲を作り、天野喜孝がイラストを描き、原マスミ、遊佐美森、伊藤ヨタロウ、小峰公子が詩の朗読や歌をうたうという作品群。
 1曲目のPrologueは、吉良知彦の曲とCaraJonesの詩をバックに、「わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます」から始まる宮沢賢治の言葉を原マスミが朗読する。
 3、5、9曲目のオツベルと象は、原マスミが語り部、遊佐美森が象の役、伊藤ヨタロウがオツベルの役を担当する朗読作品。BGMはもちろん吉良知彦。
 4曲目のグルコーブドリの伝記、8曲目の水仙月の四日、10曲目のよだかの星はインストゥルメンタル曲。
 6曲目のかしはばやしの夜は、宮沢賢治の詩を吉良知彦が作曲&ボーカルで歌う。
 7曲目やまなしは、宮沢賢治の同名の作品ではなく、このCDの語り手でありZABADAKの「遠い音楽」を作詞した原マスミが作詞&ボーカルという、ちょっと変わった曲。
 11曲目のエピロヲグ-銀河鉄道の夜-も似た形を取っており、こちらは小峰公子が作詞&ボーカルを担当している。小峰公子は現在のZABADAKではメインボーカルを担当することもあるが、当時はまだそういう事が無かったため現在とは少し違うものの、しっかりとZABADAKしている。
 全体的に見てZABADAKのCDといえばZABADAKのCDなのだが、宮沢賢治へ捧げる作品群といったアルバムなので、他のZABADAK名義のCDのような評価はしないでおいた。宮沢賢治が好きだったり、原マスミが好きだったり、天野喜孝が好きだったりして、なおかつZABADAKが好きならば買って後悔はしないだろう。
 なお、10曲目のよだかの星はシングル「彗星はいつも一人」にも収録されている。
 また天野喜孝の絵は、決して「ちょっと描きました」といった物ではなく、きちんとこの「賢治の幻燈」という作品の一翼を担っている。
Pieces Of The Moon(1996/10/25)
2002/03/27にリマスター版も出ている。
1.遠い音楽
★★★★★
2.私は羊
★★★☆☆
3.飛行夢〔そら とぶ ゆめ〕
★★★☆☆
4.アジアの花
★★★☆☆
5.満ち潮の夜
★★★★★
6.街角・影法師
★★★☆☆
7.Tin Waltz
★★★★☆
8.雨の音が聞こえる
★★★☆☆
9.Sarah
★★☆☆☆
10.サンタ・サングレ
★★☆☆☆
11.Walking Tour
★★★☆☆
12.Psi-trailing
★★★★☆
13.ガラスの森〔Live Version〕
★★★★☆
14.A DAY
★☆☆☆☆
15.タクト
★★☆☆☆
16.Videokid
★★☆☆☆
17.RECIENTE
★☆☆☆☆
 中期ザバ終了後に出た、これまで未収録だった曲やCMソングを集めたアルバム。
 1曲目にいきなり遠い音楽が来ているため、ベストアルバムなのかと思ってしまうが、一応普通のアルバム+α(でもZABADAK公式サイトによるとベストアルバム扱いらしい)。
 2曲目の私は羊は、ヨーロッパの農村のお祭りみたいな楽しい歌。
 7曲目のTin Waltzは先述の「prunus zabadak in concert」にライブ版が収録されていたもの。「一番星見つけたら 誰かにそっと 声かけたくなりそうで 急いで帰るよあの家へ 窓灯すあかり ひとつまたひとつ 点いてまた暮れる 闇はまた闇へと」、「いつか雨は止むように 誰にも明日が来るように 今日に続く明日 山を越えた夜の そのむこうがわに まだ眠っている 太陽昇れば また新しい朝 今日がどんな日でも 同じひとつの朝」といった歌詞の、どこか郷愁的でもあるけれども前向きな名曲。
 12曲目、Psi-trailingもprunusにライブ版が収録されている。「青い 青い 雪に沈む夜 夢のように光る鳥よ ひとりここに残されて目覚める 消えそうな鳴き声 重いドアを押しあけると急に 流れ込む冬の妖精 溶ける 溶ける 凍り付いた記憶 私の手の中で」そんな節から始まるしっとりとした幻想的な曲。この曲と4曲目のアジアの花は、歌手の新居昭乃氏が作詞を担当しており、この曲ではコーラスにも参加しているため、たまに新居氏がZABADAKメンバーだと勘違いしている人もいる。「ずっとずっと前から響いていた ただひとつの詩(うた)」、良い歌詞を書く。
 13曲目以降はボーナストラック。初期ザバを象徴する曲、ガラスの森のライブバージョンという珍しいものが入っている。
 14曲目A DAYは"JR東日本"のCM曲で1分ちょっとながらも吉良ボーカル入り。
 15曲目タクトは"新社名ヒューマナイズドクリエイター篇"のCM曲で1分半だが、ゲーム「クロノクロス」の曲が好きだったらこの曲も好きだろう。いや、短いからこれだけのために買えというのは無茶だが。
 16曲目のVideokidは"キヤノン"のCM曲で、30秒ほどながら壮大な楽曲。後にアルバム「IKON」で別の曲と共に"風の巨人"として生まれ変わる。
 17曲目のRECIENTEは"資生堂'91春のキャンペーン イメージソング"つまりCM曲。他のと違って3分ほどある。
remains(1997/01/29)
1.FOLLOW YOUR DREAMS*
★★☆☆☆
2.砂煙のまち*
★★★★☆
3.LET THERE BE LIGHT*
★★★★☆
4.harvest rain(豊穣の雨)*
★★★★☆
5.鞦韆(ぶらんこ)*
★★★☆☆
6.椎葉の春節*
★★★★☆
7.星狩り*
★★★☆☆
8.光の人*
★★☆☆☆
9.シリアス・ムーン*
★★☆☆☆
 中期ザバの曲の中で、アルバム未収録だったものと、シングルバージョンを集めたCD。
 つまり、これ以前のアルバムには一度も収録されたことのないものだけで構成されている。
 *がシングルバージョン、*がアルバム未収録。
 3曲目のLET THERE BE LIGHTはRalph McCarthyなる外人さんが作詞をしているのだが、海外の人らしい詩的な歌詞に、ゆったりとした曲と上野洋子のボーカルがよく合っている。
 5曲目のぶらんこは、スローテンポなリズム――言ってみると幼稚園の先生が弾く電子オルガンの伴奏のようなメロディに、夕方を思い起こす歌詞、伴奏も途中から入るリコーダーもそれこそ小学生が演奏するようなつたなさがあり、どこか懐かしくなる曲。
 6曲目、椎葉の春節は「prunus zabadak in concert」に入っていた曲のシングル版。前にも書いたが椎葉村に伝わる春節をアレンジしたものらしい。「春は花咲く 木かやも芽立つ 立たぬ名も立つ 立てらりょか 春になればぞ うぐいす鳥も 山を見たてて 身をふける 春の霞は 見るまいものよ 見れば目の毒 見ぬがよい」これが歌詞全部。以前聞き取れなかったのは、歌詞以外に「あら」と「ほい」という繋ぎがゆったりと混じるからだった。なぜか落ち着くのは、日本人のDNAがこういった歌、こういった風景を覚えているからかも知れない。
 7曲目の星狩りはケルティック上野。中期ザバダックというか上野洋子が好きなケルト音楽の要素を盛り込んだ、軽快でちょっとしたお話的な世界。椎葉の春節の直後に、曲調が正反対なコレが来るせいで思わず調子が崩れてあまり良い印象ではなかったのだが、ちゃんと聴くと良い曲である。これでもかという程村のお祭り的な音が楽しい。
 8曲目の光の人は2006年7月に出る「20th」にも収録されているし、度々アルバムに顔を出す曲なのだが、私はどうも光の人と聞いてウルトラマンを連想してしまうせいで歌詞や曲に集中できない。歌詞を真面目に聞くと良い歌詞なんだけども、サビで「光の人 ひかりの人 ここへきて」と歌われるたびに、私の脳内に拳を突き上げたウルトラマンが現れるのだ。なので、あまり正当な評価ではない。
 9曲目のシリアス・ムーンは2分ほどの短い曲で、エンディングに相応しい、これから眠りに落ちていくような曲である。

 ということで、今回は初期〜中期ZABADAKの所持CDをレビューしてみた。
 二日かかってしまったが、実は全部一日ですまそうなどと考えていたので、相当無謀。
 残るは以下の通り!

TRiO(1997/08/25)
LIFE(1997/09/18)
IKON(2000/01/20)
・風を継ぐ者(2001/04/08)
 キャラメルボックスの通販ページから買えます。
ブリザード・ミュージック(2001/11/24)
 恐らく上記リンクであってるはず。
SIGNAL(2002/11/07)
Wonderful Life(2004/01/22)
空ノ色(2004/11/11)

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06/30/06
金曜日

蒸し暑いけど晴れ
SOUND BOOK
鬼のようにZABADAK2 なし
更新箇所
備忘録更新
↓でZABADAKのCDレビュー2をw

 何気に来月出るZABADAKのベストが「HISTORY OF ZABADAK」から「20th」にタイトルが変わってました。
 そんなわけで、滅茶苦茶時間がかかるZABADAKレビュー後編。
 初期、中期、ソロ、現在と分けられるザバダックの中で、ソロ〜現在の所有CDを紹介します。

TRiO(1997/08/25)
1.マーブルスカイ
★★★★☆
2.光の庭で
★★★★☆
3.点灯夫
★★★★★
4.百年の満月
★★★★★
5.白い紙と鉛筆
★★★★★
6.遠い音楽
★★★★★
 ソロ時代に出たミニアルバムで、吉良知彦&楠均&青木孝明の三名で歌う、まさにトリオでZABADAK。
 見事な美声オヤジ達の共演で、全曲ボーカル有りのフルアレンジ。使用楽器もほとんど、それぞれが弾くギターとベースとドラムのみで、しっとり&ゆっくり&じっくりな一枚。
 このアルバムを買ったのは比較的最近で、これまでは手にとっても吉良知彦以外の2人を知らないのと、6曲という少なさ、大して好きじゃない曲と知らない曲で大半を占めていた事などから、買わずに「余裕がある時でいいや」とスルーしていた。
 が!
 大間違い。吉良ボーカルが嫌いだという人以外は買って損はしない。密かにTRiO2とか出ないものかと期待してしまうほど、とても良い出来。
 新曲である「点灯夫」と「白い紙と鉛筆」も珠玉。特に点灯夫は私の(2月の丘とは違った)ツボにハマっている。「灯り点して歩く らせんの階段に ひとりぼっちの夜を いくつ数えただろう どこまで行けばいいの 三日月の窓 水色のかげぼうし ためいきさえきしんで」と、童話的なんだけど寂しげな歌詞が、吉良ボーカル&TRiOの演奏にピッタリ。
 「百年の満月」は歌詞に含まれていないコーラス「チュッチュルルルチュッチュルルルル〜♪」が気にならなければ名曲w いや、私は気に入ってるけど、たまに「なんでテュじゃなくてチュなんだろ」とか思うことが。 曲自体は題名通りのロマンティックな感じなんで、あまり気にしない方が吉。
 先ほどもちらりと触れた、「白い紙と鉛筆」はNHKのみんなのうたか何かにも採用されていたはず。「白い紙と鉛筆、それさえあればどこへでも行けたよ。海の底、飛行機の飛ぶ空、戦争のまんなか、お城のある森。何でもそこにつくって、何度もそこに生きた。すぐに丸めて捨てたけど、あの時の絵の中に」という歌詞も、演奏も歌も、全てが私の好み(またか)。
 ラスト、「遠い音楽」
 様々なバージョンが存在するこの曲、私はこの吉良ボーカルのTRiO版が一番好きだったりする。最初は男声の「遠い音楽」に違和感を覚えるかと思ったけれど、もうこれが染み込む染み込むw ギターの伴奏もベースも、オリジナル版とは違っており、これがまた良い。この一曲のためだけにこのCDを買って良いとさえ思えるぐらい気に入っている。
 収録曲こそ少ないが、定価も2000円と若干安いので、是非手にとってハモるオッサンの美声に酔いしれて欲しい。
LIFE(1997/09/18)
1.FAKE
★★★★☆
2.永遠のレモン
★★★☆☆
3.扉
★★★☆☆
4.散歩道
★★★☆☆
5.僕の贈りもの
★★★☆☆
6.光の庭で
★★☆☆☆
7.THE PECULIAR NIGHT
★★★☆☆
8.LIFE
★★★★☆
9.この空で会えるよう
★★★★☆
10.なかなかおわらないうた
★★★☆☆
 ソロザバの中でも吉良迷走期の代表作――と言ったら失礼か。現在のZABADAKや、初期に見られる吉良っぽさを解っていれば大丈夫なのだが、中期ZABADAKしか知らない状態でこれを聞くと、凄まじい衝撃だろう。特に上野ボーカルが好きで、癒しを求めていた人などにはネガティブな衝撃だと思う。帯に「ザバダックのインナー・スペースへようこそ」と書いてあるように、吉良知彦の本来の味とはこういうものなのだろう。私は最初は嫌いなアルバムだったが、今聞くと普通に良いアルバムに感じるのだから不思議なものだ。
 1曲目のFAKEは皮肉の効きまくった曲で、「吉良の反骨っぽさが現れてるなぁ」と思いきや作詞は小峰公子。またこのパターンか。ちなみにタイトルFAKEの意味は歌詞中に解りやすく書かれている。「残された一羽の鳥が啼いている 何も残せないと鳥が啼いている 耳を塞いでも 追ってくる どこへ 逃げても 手を出すなよ そこには 最初からあったものは 二度とは作れないから どんな お利口になっても 手を出すなよ そこには 汚れてる その手を どんなに上手く真似して 作ったって 僕たちの作る物は FAKE!」
 3曲目「扉」は、上手く言えないけれどもストレートな曲。「夜明けに泣いてた。君が死ぬ夢を見た。冷たい体に触れた指の悲しさを忘れてしまいたい。ふるえた世界は書きかえた知らない歌のよう。君のほほえみ、君の言葉が風景も変える。僕の体は、僕の言葉は、君の形なぞって響くよ」
 6曲目「光の庭で」は、このアルバム唯一の小峰ボーカル曲。女声メインの曲の歌い手が、上野洋子から小峰公子に変わったわけだが、どうもこの曲の小峰ボーカルは「慣れてない」感じが強すぎてあまり好きではない。
 さて7曲目。問題作「THE PECULIAR NIGHT」、多分意味は奇妙な夜。人につけ込もうとする悪魔がニヤニヤと笑いながら歌う姿を容易に想像できる、まさしく奇妙な曲。皮肉が効いていて、「吉良――まあいつものパターンなわけで。「さあさ皆様ごらんなさい。これは不思議、不思議のドア。あなたが思うどこへだって連れて行ってさしあげましょう。夢でいいじゃありませんか。一夜かぎりのしたい放題。お次の方がお待ちです、目を閉じて祈るだけのこと。さあこちらへ来て、さあドアの向こう、遠慮しなくていいんです。今夜はそうThat's The perculiar night Tonights The perculiar night」こんな歌詞。実は自分を映す世界で、「ブリキのお札、ビー玉コイン握って、お手元には何が残りましたでしょう?」と言って追い出される。いつもとはひと味違う吉良ボーカルが、不気味さを上手く演出して耳に残る。
 8曲目は表題作でもある「LIFE」。地味ながらもソロ時代屈指の名曲。
 9曲目「この空で会えるよう(在這天空相曾)」は、香港の女性歌手ユー・ホン・ヤンの歌う全編北京語の異色作。しかしながら、歌詞は全く解らないのに心に響く。不思議だが、何故か良い曲だなぁと思える。日本語版も存在するらしいが、収録されているアルバムは存在しない。
 10曲目はThis is inner space「なかなかおわらないうた」。吉良知彦が作詞作曲ボーカルなのはもちろん、歌詞の内容もどう見ても吉良知彦自身の事。「どおして 歌を僕は つくるんだろう 気がつくと ギターを手にして うたってる それは 朝おきて 目に映ること 眠るまえに心に浮かぶこと ゆめで 見た 不思議な出来事 それを つなげてみたり かたむけてみたり うらがえしてみたり すててみたり 迷っている 遊んでいるうちに もう こんなに時間がたったよ いつのまに 夜があけたんだろう いつのまにか そばで子供が眠ってる 君もいつかうたをうたうんだろう それまで僕が君にうたう なかなかおわらない うた」――気付けば歌詞を全部書いてしまっているが、色んな意味で吉良知彦の歌であるw
IKON(2000/01/20)
1.PACO
★★★★☆
2.風の巨人
★★★★☆
3.赤い鹿の伝説
★★★★☆
4.城
★★★☆☆
5.遠い旅の記憶 1.旅の予感
 2.北の回廊 3.新しい場所
★★★★★
6.BELIEVE
★★★☆☆
7.蒼の部屋
★★★★☆
8.DEAR PAIDER
★★★★☆
9.収穫祭
★★★☆☆
10.DREAMER
★★★★☆
 何かに目覚めた吉良知彦。ソロ時代を代表するアルバムで、世間的にもかなり評価が高い。
 1曲目のPACOからいきなり4分40秒ほどのインスト曲。
 2曲目の風の巨人は復活し生まれ変わったvideokid、つまりインスト曲。小峰公子のコーラスは入っているので厳密に言えば違うのかも知れないが、5分30秒ほどのインスト曲。
 3曲目、赤い鹿の伝説は一応ボーカル曲だが、歌詞カードにunknown wordsと書かれているとおり、ボーカルと作詞を担当した柚楽弥衣氏しか解らない。7分20秒ほどある、ほぼインスト曲。
 4曲目の城になってようやく完全なボーカル曲が来る。作詞とボーカルは新居昭乃氏。不安さと不安定さを感じさせる、不思議な曲。3分30秒ほどの曲だが、ここで新居氏が参加している事や、以前発表された「アジアの花」の作詞&コーラスなどで、新居氏をZABADAKのメンバーだと勘違いする人がいるが違うので注意。
 5曲目は「遠い旅の記憶」はひとつの曲の中で、旅の予感、北の回廊、新しい場所という3章構成になっている壮大な楽曲。旅の予感には、ゲーム「クロノクロス」のエンディングを歌ったみとせのりこ氏がコーラスで参加している。転調から吉良知彦のボーカルが入るが、そこで北の回廊に変わるのではなく、まだ旅の予感だったりする。北の回廊はその後で、長い旅をしているようなメロディなので解りやすい。新しい場所からは小峰公子がコーラスで参加する。この壮大な一曲内で吉良知彦は、ボーカル、コーラス、ボイス、プログラミング、ギター、ブーズーキ、ベースを担当している。ちなみに演奏時間は13分20秒ほど。
 7曲目の蒼の部屋は、暗く寂しい吉良ボーカル曲。「ことばが凍る日はためいきをつくだけで、忘れていたこころも、あたためてた想いも、指の間こぼれてあなたに届きそうで。海の底に沈んでいたい、静かな蒼に、やさしくやさしく揺られていたいな」
 8曲目は全く逆で、陽気で中華風な「Deir Paidir」。小峰公子が作詞とボーカルを務めるが、「光の庭で」に感じた不慣れさはもはや無く、完全にZABADAKの構成要素となった。
 9曲目の収穫祭は、ケルティックなインスト曲。まさに収穫祭といった曲。このアルバムは各楽曲の参加メンバーと担当が書かれているが、この曲の所を見ると「マリンバ:木屋響子、アコーディオン:小峰公子、ドラム:佐藤正治、ベース:早川哲也、ヴァイオリン:太田恵資、シタール:井上憲司、タブラ:吉見政樹、ブーズーキ:吉良知彦、ハンドクラップ:この曲に参加したみなさん」と、何とも良い雰囲気である。
 ラスト、10曲目のDREAMERは、本に例えると爽やかな読後感を演出するエンディングといった雰囲気。4分を越えたあたりから、懐かしのライライ言うコーラスが入り、ZABADAKの復活を印象づける。コーラス部分は参加したアーティスト達が参加しており、その中にこっそりと吉良草太郎の名前がある。何を隠そう、吉良知彦の息子だ。
 気付けば6曲目以外は全曲触れている。なおこのアルバムは、「リング」で有名な鈴木光司氏のデビュー作品「楽園」の力を借りて完成したらしい。
・風を継ぐ者(2001/04/08)
1.桜
★★★★☆
2.出発〜KIMELLA-1
★★☆☆☆
3.襲撃(光の王国part1)
★★☆☆☆
4.十二月の午後、河原で僕は
 夏の風景を思い出していた。

★★★☆☆
5.出撃〜KIMELLA-2
★★☆☆☆
6.疾走〜KIMELLA-3
★★☆☆☆
7.敗走〜KIMELLA-4
★★☆☆☆
8.月光光
★★★☆☆
9.蒼の部屋
★★☆☆☆
10.百年の満月
★★☆☆☆
11.悲しい猫
★★★☆☆
12.POLAND
★☆☆☆☆
13.風を継ぐ者
★★★★☆
14.駆け抜ける風のように
★★★★☆
 演劇集団キャラメルボックスの舞台「風を継ぐ者2001」のサウンドトラック。元々は96年に初演された「風を継ぐ者」でZABADAKの楽曲を使用し、それを01年に「風を継ぐ者2001」を公演する際に曲を入れ替えたり作り直したりして、このアルバムとなった。
 意外な事ながら、この舞台「風を継ぐ者」は新選組を扱ったもの。ZABADAKのイメージと幕末の時代劇は全く結びつかないが、かなり好評だったようだ。
 既存のアルバムからの転用が多いように見えるが、ほぼ全曲アレンジして(具体的には脱退している上野洋子のコーラスなどを抜いて)いるらしい。が、正直「サントラだな」という印象であまり良いアレンジとは言えない。
 2〜7曲目は全て「十二月の午後、河原で僕は夏の風景を思い出していた。」から。アレンジが入っている上に曲が分断されているため、良い曲が台無しになっている印象を受ける。いっそ出典もとの長い名前のミニアルバムを買ってしまおう。ただし7曲目のKIMELLA-4は未発表曲だった、「十二月」には収録されていない。
 9曲目の蒼の部屋と10曲目の百年の満月は、インストゥルメンタル版。
 12曲目のPOLANDは7分もあるアレンジ版。しかし、無理矢理繰り返した感があり、美しくない。舞台では新選組と長州藩士の戦いでかかるクライマックスの曲らしいが、だからと言って単体で聞いてオリジナルのポーランドを越えるかと言うと全くそういう事はなかった。舞台で感動した人には、舞台の思い出がフラッシュバックするだろうから、評価はまったく逆になるだろう(実際かなり格好良いシーンらしい)。
 13曲目は新曲「風を継ぐ者」。4分を過ぎたころからようやく歌に入るので、最初はインスト曲かと思ってしまう。だが良い曲である。「僕は このまま風に眠って 果てる空を 見る 季節 呼び寄せるうた 忘れ 咲くままに 花は朽ち 夜は目覚め いくつ 陽は消えて 時が 沈んでも 風が 吹いていた その道の 記憶 残るだろう」
 そして14曲目も新曲「駆け抜ける風のように」は、最初からタイトルの通り歌が駆け抜けていく。歌詞にも歌にもいつになく魂が乗っており、完成度がかなり高い。
 歌自体は4分半ほどで終わるものの、その後4分40秒頃から、こっそりと小さい音で別の曲が始まる。
 それが「Tears」。元々はソロ時代の第一弾アルバムに収録された曲だけれども、ここで収録されているのはキャラメルボックスコーラス版。キャラメルボックスのファンにもZABADAKのファンにも嬉しいレア音源と言えるかも。
 現在は入手困難なアルバムらしいが、私はこれまた梅田のタワーレコードで購入した(当時通っていたのは幸いだった)。確実に入手したい場合はキャラメルボックスの通販からがお薦め。
 おまけ。この舞台では(公演によっては)06年の大河ドラマ「功名が辻」で主役・山内一豊を演じる上川隆也が土方歳三を演じたそうな。
ブリザード・ミュージック(2001/11/24)
1.オーディション
★★☆☆☆
2.アポロの月
★★★★☆
3.Return to me
★★★☆☆
4.高く、そして遠く
★★★☆☆
5.僕のMerry Christmas
★☆☆☆☆
6.北の童話
★★★☆☆
7.鏡の森
★★★★★
8.もっと近くで
★★☆☆☆
9.Ecstatic!(明日を抱きしめて)
★★★★☆
10.ブリザード・ミュージック
★★★★★
11.自画像
★★☆☆☆
12.もっと近くで(ピアノ・バージョン)
★★☆☆☆
13.僕のMerry Christmas
(アコースティック・ギター・バージョン)
★★☆☆☆
14.僕のMerry Christmas
(ライト・バージョン)
★★☆☆☆
 前作に引き続き、演劇集団キャラメルボックスの舞台「ブリザード・ミュージック」のサントラ。
 前作とは違い1曲を除いて全て新曲。11曲目からはボーナストラック。
 基本的に入っている曲は良くも無く悪くもなくという印象だけど、例外がある。
 それは「アポロの月」、「鏡の森」、「ブリザード・ミュージック」の三曲と、「僕のMerry Christmas」のバージョン違い三曲。
 前者は佳作というか、ベストに入れてもいいレベルだと思っていたら、見事に「20th」に三曲とも収録される。
 鏡の森は10分近いインスト曲ながら、各音の展開の仕方が素晴らしく、特に7分を越えてからのヴァイオリンが鳥肌もの。
 後者は……なんというか、吉良草太郎君の声が……邪魔。通常版の終盤から、吉良ジュニアの草太郎君が楽しそうに音程をぶっちぎって登場します。最初こそ「微笑ましいなぁw」とか思ってたけど、聞けば聞くほど、曲に集中していたのが壊される感じがして好きになれず……。同じ曲が三曲も入っているというのもマイナス要素。全て明確にバージョンが違うものの、やっぱり同じ曲なのは変わらない。この曲は04年12月に出たミニアルバム「クリスマスソングス」にも更なるリミックスが収録されたらしいが、買った人の話によると、草太郎君の声が小さくなっていたそうな。やっぱり邪魔だったんじゃ(汗)
 とりあえずこのアルバムは、少し前ならば前者三曲のために買っても損はないと言うところだけど、先述の通り「20th」に収録されるのが解っているため、ちょっと微妙なアルバムになっている。「明日を抱きしめて」のセルフカバー曲「Ecstatic!」ぐらいかな?
 Flashで構成された宣伝ページがまだ残っているので、それを参考にしてみても良い。私はメニューが表示された瞬間の台詞付き鏡の森にやられて買ったので、CDで鏡の森を聞いて少しガッカリしたのは秘密だ。試聴可能な3曲が見事に私のお気に入りなので、気になった人は是非。試聴版の鏡の森は先述の7分を越えたあとのヴァイオリンの部分だったりする。
SIGNAL(2002/11/07)
1.Gargoyle
★★★☆☆
2.Play your days
★★★☆☆
3.Still I'm fine
★★★★☆
4.子午線のマリア
★★★★☆
5.I really don't know
★★★☆☆
6.にじ・そら・ほし・せかい
★★★★☆
7.地平線
★★★☆☆
8.Tin town
★★★☆☆
9.紅い華
★★★☆☆
10.嵐
★★★☆☆
11.握手でBYE BYE
★★★☆☆
12.Signal
★★★☆☆
 現在のZABADAKのスタイルになってからの第一弾アルバム。初期から比べると、家庭を持った特有の丸さみたいなものが感じられるが、それでも吉良っぽさは健在という面白い状態に。
 1曲目のGargoyleはインスト曲ながら、今までにはない新たなZABADAKを感じさせ、2曲目のPlay your daysでいきなりロック、上手い掴みである。
 3曲目のStill I'm fineは間違いなく名曲。ZABADAKの曲で「いいなぁ」と思うものには少年時代を振り返るような歌詞が多いが、そういう曲は大抵、吉良知彦の気持ちが他の曲以上に入っている気がする。「坂を曲がるあの小道で、いつも泣きたくなった。走り続けたあと見上げた空は、蒼く閉じてた。毎日繰り返すさよならの中で、僕は元気でいるよ」
 4曲目、子午線のマリアもかなり良い。タイトル通りキリスト教的な要素が入っており、2分程まではオルガンのイントロで、2分を越えた辺りで聖歌をイメージさせる吉良コーラスが入る。歌が始まる2分半になると、曲からはそういったイメージはほとんど無くなっているのだが、「明けない夜に そして空へゆく 炎に煽られても 燃え尽きることなく 幾千のこころ いくつものなみだ この世のすべてよりも 重い雨降らせよ 閉ざせない耳と 閉ざせぬ瞳 私たちは持てない でもいつも聞きたい 美しいことも 愚かなことも 繰り返し 繰り返す 愛する世界で」といった歌詞からどことなくにじみ出している。ZABADAK得意のドラマティックな転調が綺麗に成功している曲でもある。
 6曲目のにじ・そら・ほし・せかいは、NHKおかあさんといっしょに使われた楽曲のZABADAK版。オリジナルはNHKの出してるアルバムにのみ収録されているようだ。小峰公子のボーカルが優しく語りかけて来る感じで、上野洋子の代わりではなく、ZABADAKの小峰公子としての存在が確立されている。「どんな時もかわらない やさしいうた きこえるよ 三日月 笑った 銀色 魔法 世界を てらしてる 祈りと 想いと いのちのうたが この星 いつまでも まわしてるよ」
 11曲目の握手でBYE BYEは吉良知彦が良いお父さんしてるという印象の曲で、これまた息子の草太郎君がボイスで参加しているが、こちらはプラス効果かなと思う。
 公式サイトに宣伝ページが残っており、Still I'm fine、にじ・そら・ほし・せかい、Tin town、握手でBYE BYEが試聴可能。ロード中にかかっているのがSignal、メニューでかかっているのがGargoyleである。
Wonderful Life(2004/01/22)
1.今日の夢のこと
★★★★☆
2.The Dawn
★★★★☆
3.彗星はいつも一人
★★★★☆
4.ホームページのつくりかた
★★☆☆☆
5.Regret
★★★☆☆
6.天気予報
★★★★☆
7.クリオン広場
★★★☆☆
8.Wonderful Life
★★★★★
9.生まれては別れにむかう
  わたしたちのために
★★★★★
10.夏日記
★★★☆☆
 ジャケットデザインが秀逸な、現在ザバの二枚目。
 ZABADAKにしては珍しく、制作に加わったアーティスト達にいくつかのアレンジを任せているらしく、大小様々だが雰囲気が確かにいつもと違う。
 また、このアルバムを作る前に吉良知彦は親しい人を亡くしたり、本人も入院したりと大変な時期を迎えており、だからこそ生と死についてストレートに感じたのだろう、ぼかす事無く、歌詞からも歌からも曲からもダイレクトに想いが伝わってくる名曲が多い。なお、4曲目については、2chなどで批判された事に対する吉良なりの返答のようなものなのだが、あんまり好きな答えじゃなかった。
 1曲目は歌詞をしっかり聞きながらだと、かなり良い曲だと気付く。本当は★三つを付けようと考えていたんだけど、改めて聞くと良いなぁと思い、四つになってた。
 2曲目The Dawnはインスト曲。鉄琴っぽい音のイントロから笛が入り、徐々に音が増えていく。1分終盤から入るボイスと吉良コーラスがさらに世界を広げて行く。これまでのZABADAKに多かったヨーロッパ系のインスト曲ではなく、アジア、モンゴルやチベットをイメージさせるインスト曲に仕上がっている。
 表題作でもある8曲目は、下手な解説をせずに歌詞全文を書くので、伝わってくれたらなと思う。
「WonderfulLife」
僕一人 ここにおいて
あなたは いなくなったよ
別れの言葉 言わないままで
空よりも 届かない
時のその 向こう側で
僕を今でも 見つめているね



- - - - - - - - - - - 

いつか過ごした あなたの好きな
あの街角 僕は歩く
あなたは夏の ドレスのままで
何にも 言わずに ほほえむよ
僕は何でも 知ったような
気がするんだ だってあなたが
世界の全てに はいりこんで
そこから 教える 生きるわけを
風になって 僕に触れる
雨になって 僕をぬらす
うたに溶けて 僕をふるわす
いつでも 近くに いるように
すべてのものに あなたがいる
あなたを見る どんな時も
あなたを感じ あなたを想う
この手に 抱いてた時よりも

- - - - - - - - - - - 

木蓮の白 桜の庭
蝶の飛ぶ朝 木陰の道
オニユリの夏
あなたが好きな 花が咲いては
また散って
夕立の空 重たい月
とんぼの空 枯れ葉の音
霜が降りた日 椿のみち
春へと 季節は また還る
言葉でも体でも
埋めること 出来なかった
隙間がまるで消えたね 今は






- - - - - - - - - - -

できるなら もう一度だけ
この手に 抱きしめたい

 9曲目「生まれては(略)」は、今回改めて「Wonderful Life」を聞くまではこのアルバムで1番気に入っていた(現在は同率1位)。上野洋子なんのその、これが小峰公子ボーカルの真骨頂だと言わんばかりの出来栄え。
 歌詞も良ければ歌も良い。
 8曲目と9曲目のためだけにこのCDを買っても良いが、他の曲も出来が良い。安心してこれからもZABADAKのCDが買えるなと実感できる一枚。
 例の如く公式サイトの宣伝ページがご存命。メニューでかかっているのがThe Dawn。試聴可能なのは、今日の夢のこと、Wonderful Life(試聴版の歌詞は上段の真ん中の部分から始まる)、クリオン広場の三曲。
空ノ色(2004/11/11)
1.空ノ色
★★★★★
2.An Overture
――――
3.月の森
★★★☆☆
4.月光
★★☆☆☆
5.かがいの夜
★★★★☆
6.波紋
★★★☆☆
7.雨の行方
★★★☆☆
8.Dreaming
★★★☆☆
9.わだつみ
★★☆☆☆
10.風の船
★★★☆☆
11.ロック・オペラ 封印されし神々へ
 鬨(とき)〜 願(ねがい) 〜 醒(めざめ)〜 導(しるべ)
 〜 鎮(しずめ)〜 戦況 〜 鎮(しずめ) 〜 破壊 〜 祈(いのり)
★★★★☆
12.予兆
★★★☆☆
13.きざんできざんで
★★★☆☆
14.PAO
★★★★☆
15.黄泉の国へ
★★★☆☆
16.豊穣祝歌
★★★★★
17.空ノ色〜Finale
★★★★★
 サントラであってサントラではない、ZABADAKの新境地。
 元々は劇団ひまわりの「空色勾玉」というミュージカルの音楽(舞台は荻原規子氏の古代日本を舞台にした神話ファンタジー「空色勾玉」が原作)。それが上演後の声に動かされてCDを出すことになったものの、ミュージカルで使ったそのままではなく新たにレコーディングを行い、更に役者達の歌を収録しなおした結果、サントラではなく新しい音楽となってしまいZABADAKの新譜として出ることになったという、一風変わったアルバム。
 なんとほぼ全ての曲に、役者の台詞や歌が入っている。それでもしっかりZABADAK。
 私は原作もミュージカルも知らない状態で聞き、その状態でハマった。これが舞台や原作を知っている人だったらどうなるのかと思える一枚。
 もちろん、役者の台詞や歌が入って物語調になっているのが全て良いわけではない。それでも、「それはそれで味がある」と思えるように出来ている。
 話を全く知らない状態でも、ある程度小説読む人ならば何となく歌詞や台詞から物語を想像できる。だからこそ最後の二曲が素晴らしく聞こえるのだが、それは後に回す。
 2曲目のAn Overtureのみ評価の対象から外している。これはZABADAKをBGMにした3分ほどの劇である。曲として捉えた時にどういう評価基準を設けて良いのか解らないので評価対象から外したが、不要な曲だとかそういう意味ではないので誤解無きよう。
 5曲目「かがいの夜」は、太鼓と鈴の音が古代日本の祭を想像させ、「ひとつ ひととせの幸 わけて 栄えよ 実りの郷よ 日は昇り 月は照らす あまねく かぐや 誉れの大地」という大勢での歌がさらに豊穣を願う祭の歌という感じで――というよりも、役者達は祭の歌をうたう人々になっているのだから当然か。
 このアルバム全体に言える事だが、本職の歌手じゃないと思って舐めてはいけない。年齢性別問わず結構上手い。また、歌詞カードには明記されていないが吉良知彦もちゃんとボーカルで参加している。無論、子供だけのソロ曲は別としてだが。
 11曲目の、ZABADAK史上最も長いタイトルの奴は、曲の中でしっかりとミュージカルをしているが音楽として見ても面白いので評価対象としている。9分半という長い曲ながらも、場面場面で曲調や歌い手が変わるため聞き飽きない。
 13曲目「きざんできざんで」はレコードノイズのようなものが入った曲で、少女二人が歌ったり語りを入れたりという微笑まし――くねぇ! 歌詞が怖い歌詞が。「最初に塩をばふりかけて 清めのお水で 洗いませ まずは手足を切り落とし のどからすいっとひらいたら はらわたきれいにだしましょう(台詞:これが輝の御子を殺すたったひとつの方法) さしみにするには さっくりと たたきにするには ととんとん(語り:生き返らなければいいんでしょう?)」怖っ。
 14曲目のPAOは、古代日本が舞台のはずなのになぜかアルバム「IKON」の「収穫祭」を思い出すケルティックな曲。3分に満たない短い曲だけど、陽気で良い感じ。
 15曲目「黄泉の国へ」は、珍しく吉良ボーカルではなく、男性の役者さんの低音ボーカル。多少「ザバダック?」と思わないでもないが、上手い。しかし2分程度の曲なので短い。
 そしてエンディングである16曲目&17曲目。
 「豊穣祝歌」は「かがいの夜」と対になっている。初めて聴いた時、日本人のDNAの底から揺さぶられるように、全身に鳥肌が立って思わず泣いていた。1枚のCDを通して味わってきた物語の完結であり、その世界に生きた人々の喜びの歌でもあるせいで、余計に感動したのだ。だが、この曲を単体で聴いてもやはり鳥肌が立つ。
 「空ノ色〜Finale」は1曲目「空ノ色」のエンディング版。歌詞は同じながら、こちらはキャスト全員が加わっての合唱となっている。空ノ色はどちらも満点をつけたが、どちらも良いのだ。甲乙付けがたい。Finale版は低音が効き過ぎているかなという気がするが、2分を過ぎた辺りから、低音の楽器の音が20秒ほど止む。そこからの再び低音が入ってくる展開がまたドラマ性を演出して良い。ボーカルに関しても、通常版は吉良知彦の歌がソウルフルに響いてくる。それに対してFinale版は役者達も加わっているおかげで魂の籠もり方が更に違うのだが、多少ボーカル音量を落としているせいで活かしきれてないのが残念。本当に甲乙付けがたい。


「空ノ色」
きみの 心の中に
蒼い空が あるだろう
大切に しまってた
なつかしい 歌のように

争い 苦しむ日々が
その色 曇らせても
心の声を 聴こう
澄んだ空 見えてくる

憎しみから 何も生まれない
もう僕らは わかっているから

繰り返す 命が見た
風景の そのむこう
空の色は 輝き
明日を つないだだろう

叫ぶ声は 枯れ果て
祈る手が 震えても
心の声を 聞こう
澄んだ空 見えてくる

憎しみから 何も生まれない
もう僕らは わかっているから
「豊穣祝歌」
めでたや 結びの宴
鶴も舞いては ことほぎ鳴ける
めでたや ここに御座(おわ)すは
百万石の花嫁御領

孫ひこ やしゃごの末も
栄えよあれ 福よ来たれと
萬(よろず)の民も 祝わん
盃を干し 共に歌い 踊れ

われらが 郷(さと)をみやれ
黄金に染まる 稲穂の波を
この郷の 民をみやれ
花も隠れる 誉れの笑みを

見霽(みはる)かす空に 歌う
われらが 声は
綾に 錦に
はるか 山を越え響く
晴れの 大地に
永遠(とわ)に 幸(さち)よ きたれ

 このアルバムを「舞台のサントラでしょ?」みたいな理由でスルーするのは勿体ないと声を大にして言いたい。
 空ノ色と豊穣祝歌はこれからのZABADAKを語る上でも外せない名曲だと私は思う。

 ということで、6/30が終わるまであと数分というギリギリのタイミングで滑り込んだけども、ZABADAK所有CDレビュー終了〜。
 

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購入予定の備忘録
発売即購入 ZABADAK 「20th
 ザバダック10年ぶりのベストアルバム。2枚組3800円(税込み)
 Amazonでは曲目に触れられていないけれども、
DISC1
わにのゆめ
ポーランド
オハイオ殺人事件
アンリーズナブル・エッグ
水の踊り(シングル版)
LET THERE BE LIGHT(シングル版)
飛行夢<そら とぶ ゆめ>
満ち潮の夜
夢を見る方法
遠い音楽
小さい宇宙
椎葉の春節
光の人
DISC2
五つの橋
Psi-trailing
Tin Waltz
星の約束
鍵穴と迷路
光降る朝 RIPRISE
かえりみち
永遠の森
収穫祭
鏡の森
ブリザード・ミュージック
Still I`m fine
Wonderful life
 レビューしてたら欲しくなったw
余裕があれば リボルテック No.4 EVA初号機No.7 キングゲイナー
 海洋堂のアクションフィギュア。完成度に反比例した低価格とサイズらしい。
 ここを見てあまりの可動に感動。公式サイトはこちら
田中芳樹 「アルスラーン戦記11 魔軍襲来
 出ることすら忘れていて、出たと思ったら出たことさえ忘れていた、アルスラーンの新刊。実は去年の9月に出ていた。一応全巻読んできたものの、新装版がまだ1〜4しか買ってなかったのでスルーしてたら、新装版を買い忘れて、結局これも買ってなかった。読まないと。全14巻予定らしいので、とっくに折り返しを過ぎていたらしい。
神坂一 「クロスカディア6 星メグル地ノ訪問者タチ
 プロフェッショナルな"ライトノベル作家"である神坂一のファンタジー。新刊でないなぁと思っていたら、1年前に最終刊が出ていた罠。
様子見 現在無し
いずれ買おう 田中芳樹 「銀河英雄伝説外伝7 千億の星、千億の光(下)
田中芳樹 「銀河英雄伝説外伝9 螺旋迷宮(下)
 銀英伝外伝の徳間デュアル文庫版。7と9を買い忘れたまま数年が経過。忘れっぱなしだ……。ってか、デュアル文庫ってかなりデカイ本屋じゃないと置いてなくない?
田中芳樹 「アルスラーン戦記5・6 征馬孤影・風塵乱舞
田中芳樹 「アルスラーン戦記7・8 王都奪還・仮面兵団
田中芳樹 「アルスラーン戦記9・10 旌旗流転・妖雲群行
 同じく、アルスラーン戦記のカッパノベルズ版。文庫版2冊を1冊に纏めているので、一気に読めるし装丁が綺麗。でも文庫版の天野喜孝イラストでキャライメージが出来てるから、丹野忍イラストだと好きなんだけど違和感が……。